隣国でありながら、文化の違いなどから大学生活のあり方は異なる日本と韓国。「韓国の大学生はとにかく勉強する」「日本はサークルやバイトが中心」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際のところ、制度や日々のスケジュールはどう違うのでしょうか?
制度と仕組みの違い:韓国の大学の新学期は「3月」から!
まず韓国と日本の大学では、1年のサイクルが異なります。スタートの時期が異なるので、長期休暇のタイミングなども違ってきます。
日本では4月に入学式が行われますが、韓国の大学は3月が新学期のスタートです。
・第1学期(春学期): 3月〜6月中旬
・夏休み: 6月下旬〜8月末
・第2学期(秋学期): 9月〜12月中旬
・冬休み: 12月下旬〜2月末
日本では、短期間の冬休みを挟み、その後に長期の春休みがありますが、韓国では冬休みが約2ヶ月半と非常に長いのも特徴です。
また、韓国では「休学」が当たり前の文化となっています。
日本の大学生にとって休学は、留学や病気など特別な事情がある場合が多いですが、韓国では割と一般的です。
男性の場合は、約2年間の兵役のために休学します。女性であっても、就職準備やインターン、語学留学のために長期休学することは珍しくありません。そのため、ストレートで4年で卒業する人もいますが、5〜6年かけて卒業する人も多いのが現状です。
激しい履修登録争いも特徴的です。
韓国の大学で最もスリリングな行事が、学期が始まる前の履修登録です。
人気の講義は数秒で定員に達するので、学生たちは「PC방(PCバン/ネットカフェ)」に行って回線速度が速い席を陣取り、クリック合戦を繰り広げたりもします。希望の授業が取れないと卒業計画が狂うこともあるため、まさに死活問題なのです。

韓国の大学生の1日の過ごし方は?日韓スケジュール比較
それでは、大学生の1日の流れを具体的に見てみましょう。
■日本の大学生
日本の大学生は、授業・サークル・アルバイトをバランスよくこなす傾向にあります。
授業: 1コマが90分のところが大半。午前に2コマ・午後に3コマのように、午前午後に分かれており、間に1時間ほどの昼休みがあります。
昼休み: 学食や学外の定食屋で友人とランチ。日本の学食は安くてボリュームがあるのが魅力で、昼休み中に学食を利用する学生で賑わいます。
空き時間:「空きコマ」などと呼ばれ、図書館で課題をこなしたり、サークルに顔を出したりします。
放課後: 夕方からはサークル活動。居酒屋やカフェなどでアルバイトする人も多いです。

■韓国の大学生
韓国の大学生のスケジュールには、「昼休み」という概念が固定されていないことが多いです。それぞれの空き時間にサクッと昼食を済ませる印象があります。
授業: 1コマが75分〜90分、あるいは3時間連続という場合もあり、パズルのように詰まっています。
昼休み:昼休みに学生たちが一斉に昼食をとるというよりは、各々が授業の合間の15分ほどで「김밥(キンパ/海苔巻き)」を軽く食べて次の教室へ向かうことも多いです。また、韓国ではデリバリー文化が発達しているため、大学の芝生や休憩スペースで簡単にチキンやジャジャン麺を注文して食べるという光景もよく見られます。韓国の大学周辺は「대학로(テハンノ/大学路)」と呼ばれ、安くて美味しい飲食店が密集しているので、サッと外で食べてキャンパスに戻るパターンもあります。
空き時間: 授業がない時間は「공강(コンガン/空講)」と呼ばれ、図書館やカフェで「카공(カゴン) = 카페 공부(カペゴンブ/カフェ勉強)」をするのが定番。
放課後: 日本におけるサークルである「동아리(トンアリ)」もありますが、特定の目的(語学、資格試験、起床など)を達成するために切磋琢磨する少人数の勉強会「스터디(スタディ/自主勉強会)」に参加する学生も非常に多いです。
韓国の大学は学習スタイルが日本と違う?
「韓国の大学生は勉強家」というイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。
韓国の学習スタイルの特徴をまとめました。
■24時間開館の図書館と試験期間の変貌?!
韓国の多くの大学では、図書館が24時間開放されてます。普段24時間は開放していない場合も、試験前には解放されるケースもあります。
試験の1〜2週間前から、図書館の座席予約は困難を極めます。そして驚くのは、大学周辺のカフェも深夜まで勉強する学生で満席になること。
韓国の学生にとって、成績(GPA)は就職活動における絶対的な指標の一つにもなりうるため、1点の重みがかなりシビアなのです。
■グループワークとプレゼンの多さ
日本の講義は「教授の話を聴いてテストを受ける」スタイルが比較的多いですが、韓国ではグループワークとプレゼンが重視されたりします。
見ず知らずの学生とチームを組み、資料を作成し、プロ並みのパワーポイントを使ってプレゼンを行う形式が一般的です。この過程で連絡が取れなくなるメンバーとのトラブルも、韓国の大学生の「あるある」としてよく語られます。
韓国版サークル活動「동아리(トンアリ)」って?
韓国の大学生活を語る上で欠かせないのが「동아리(トンアリ)」と呼ばれるサークル文化です。
日本のサークルと似ているようで、その熱量や組織のあり方には韓国独自のカラーが色濃く反映されています。今回は、韓国の大学生がなぜこれほどまでに「동아리(トンアリ)」に情熱を注ぐのか深掘りしてみます。
韓国の大学には、大きく分けて2種類のサークルが存在します。
①中央トンアリ(중동/チュン トン)
大学に登録されている公式なサークルです。全学部の学生が集まるため規模が大きく、専用の部室が大学から与えられます。この部屋は、日本よりも「誰かしら常駐している」傾向が強く、ふらっと立ち寄れば誰かに会える、というアットホームな空間になっています。
中央トンアリは、ダンス、バンド、テニス、写真など趣味を通じて、他学部の友人が作りやすいのが特長です。雰囲気は日本の全学サークルに近く、開放的です。
最近では、単なる趣味の集まりではなく、就職活動で有利になる実績を作るためのサークルが非常に人気です。マーケティングやプログラミング、ボランティアなど内容は幅広いです。一つの大学内にとどまらず、複数の大学の学生が集まって活動するインカレサークルも見かけます。
②学科・専攻トンアリ(과동/クァ トン)
同じ学科や専攻の学生だけで構成されるサークルです。
先輩・後輩のつながりが非常に強く、定期試験の過去問の共有や、専攻に関する深い勉強会が行われます。韓国は「同じ釜の飯を食う」仲間意識が強いため、学科内の人間関係を円滑にするための重要なコミュニティとなります。

韓国の「동아리(トンアリ)」文化を象徴する行事が「MT(エムティー)」です。これは「Membership Training」の略で、1泊2日〜2泊3日で地方のペンションなどを貸し切り、親睦を深める合宿のことを指します。
MTでは、合宿のようにスポーツ大会やレクリエーションも行いますが、メインは夜の宴会だったりします。料理を囲みながら、独自の飲み会ゲームや掛け声とともに夜通し語り合います。単なる遊びではなく、組織の結束力を高めるための重要なイベントです。ここで一気に距離が縮まり、一生の親友ができることも少なくありません。
充実した大学生活を送る韓国の大学生たち
日本の大学生活は「人生の夏休み」とも称されるように、日本の大学生たちは、社会に出る前に各自のやりたいことを見つけながら充実した生活を送っています。
一方で、韓国の大学生たちも、ぎゅっと詰まった授業に就職活動、「동아리(トンアリ)」、長期休学など、日本とは少し違った形ではあるものの、こちらもまた充実した生活を送っています。
隣の国ですが、文化が少しずつ異なる韓国と日本の大学。興味深いトピックなのではないでしょうか。
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