“たった一人の少年が、偉大な名医へと歩き出すまで”韓国時代劇の中でも長く愛され続ける名作
『ホジュン〜伝説の心医〜』。
今回は、物語の核心ともいえる“少年期”第1話〜第3話をまとめてご紹介します。
彼が「名医ホ・ジュン」となる前に抱えた苦しみ、喪失、親子の葛藤、そして運命の出会い。
涙なくしては見られない濃密な序章です。
第1話:冷たい雪原での出会いが、運命を少し変える
軍官ホ・リュンの庶子として生きるジュンは、 身分の低い母を理由に正室一族から冷たく扱われ、 特に異母兄ソクからの嫉妬と暴力の標的になっていました。
ある日、ソクはジュンを雪原に連れ出し、 なんと服を脱がせたまま置き去りにしてしまいます。 命の危機に陥ったジュンを救ったのは、 人里離れた村でひっそり暮らす元医官の男と少女ミヒョンでした。
感想
第1話は胸が締めつけられるほど切ない序章です。 幼いジュンの目に映る世界は、理不尽と差別ばかり。 だからこそ、元医官とミヒョンの温かさが “凍った心に触れる灯り”のように見えるのです。 40代以降の視聴者なら、 「この子にどうか救いがありますように」と 思わず祈りたくなるはずです。
第2話:父に拒まれた少年の絶望と、ミヒョンの悲劇
女真族の襲来により、多くの民が捕虜となり、 ジュンとミヒョンも連れ去られてしまいます。
ジュンの父リュンは女真族の頭目を捕らえた武功を立てていたため、 女真族は“捕虜交換”を提案。 しかし軍上層部が拒否したことで、 ジュンは「父に見捨てられた」と信じ込まされる羽目に。
その後、脱走する途中でミヒョンの遺体を見つけ、 雪の中で崩れ落ち、泣き叫ぶジュン。
感想
この第2話は視聴者の涙を誘う名シーンが続きます。 特にミヒョンの死は、ジュンにとって「幼い頃の唯一の救い」を失う瞬間。 父に対する失望、理不尽な身分制度への怒り、 そして愛する人を救えなかった無念―― そのすべてが彼を深い闇へと引きずり込むのが痛いほど伝わってきます。
物語の中盤で名医として人びとを救う姿を知っているからこそ、 この喪失はより強く胸に刺さります。
第3話:荒れていく心、それでも消えない「生きたい」という願い
村へ戻ったジュンは、 周囲の差別・兄の嫉妬・父への誤解という三重苦を抱え、 次第に荒んだ少年へと変わっていきます。
悪い仲間とつるみ、喧嘩を繰り返し、 “どうせ自分は誰にも必要とされない”という 悲しい思い込みに支配されていくジュン。
しかし、元医官はそんなジュンを見捨てません。 落ちぶれた姿を責めるのではなく、 ただ静かなまなざしで彼を見守り続けます。 ジュンの中に残った“わずかな人間性”を信じるように。
感想
この回は「心が壊れかけた少年の叫び」が伝わる回です。 大人の視点で見ると、 “問題行動”の裏にどれほど深い悲しみがあるかが理解でき、 より胸が痛む構成になっています。
そして同時に、元医官の存在が ジュンの未来を救う“小さな希望”であることが 静かに、でも力強く描かれます。
まとめ
第1〜3話は、ホ・ジュンという人物が “なぜ心ある名医になったのか” その根を丁寧に描き出す重要な序章です。
● 差別と孤独
● 喪失と絶望
● 大人への不信
● それでも生きようとする意思
● そして運命の出会い
ただの時代劇ではなく、 “人間ドラマとしての深み”が秀逸な作品だと改めて実感します。

