筆者は実際に韓国に住んでいるのですが、韓国に住み始めていいなと思った点がたくさんあり、その中でも満足しているのはオンドル(床暖房)のシステムです。
今回は冬の韓国も安心して過ごせる秘訣の「オンドル」の魅力や日本の床暖房やエアコンとの違いを紹介します!
そもそもオンドルってなに?
オンドルとは韓国の伝統的な床暖房システムのことで、온(オン)は「温かい」、돌(ドル)は「石」を意味し、「温かい石」が語源です。
伝統式のオンドルは炭や木炭を燃やしてその煙や熱を床の下に流して室内を温める方式で、近年は温水や電気を床下に流すシステムが主流になりつつあります
オンドルは日本のエアコンやストーブとどう違うの?
日本の冬の寒さ対策としてよくみられるエアコンやストーブは空気を温めるシステムですが、オンドルはガスボイラーで温水や電気を床下に流すことで足元からじんわりと熱を伝え室内全体を温めることができます。
オンドルは床全体を温めるので部屋全体が均一に温まりどこにいてもムラがない快適な温度を保つことができます。
また日本の床暖房にも電気式と温水式がありますが、韓国のオンドルのように床材が厚くないため保温できる時間に差があります。
韓国のオンドルは分厚いコンクリートや石、パイプで作られていることが多く、温まりが早く一度温まると長時間温かさを保つことができます。
オンドルは世界最古級の床暖房システム?
①ローマ帝国の時代からオンドルはあった⁉︎
実は韓国の床を温める技術は2000〜3000年前から韓国の竪穴式住居にすでにあったと言われています。
あまりピンとこないですが、古代エジプトでピラミッド文明が栄えていた時代と聞くとかなり前からオンドルが存在していたことがわかりますよね。
当時の人たちは地面に穴を掘って、火を焚いてその熱を床下に流して室内を温めていたそうです。
②本格的なオンドルの完成
4〜7世紀ごろの高句麗(こうくり)遺跡には現代のオンドルに近いシステムが完成していました。
当時は、床の下に煙が通る通路を設置して、外で火を焚くとその温かい熱が通路を通り部屋を温める方式が使用されていました。
その後朝鮮時代に入り、ほとんどの家庭がオンドルを使い始めるようになりました。
③進化するオンドル
現代の韓国では昔のように石や煙道を使用せずボイラーガスで温水を床に流す方式が主流とされています。
火事や火傷などのリスクが軽減され安全性も高まり、最近の住宅やアパートのオンドルはほとんどがこの方式で設計されていることが多いです。
オンドルは床全体がムラなく均等に暖かくなるので、韓国ではオンドルの普及とともに床に座ったり床で寝る「床座文化」が広まりました。
この文化は今でも続いていて、実際によく韓国人の会話でよく「ソファーがあってもあえて床に座る」と言う会話を聞くのですが、私も韓国に住んでその言葉を理解することができました。
実際に韓国で過ごしてみて気づいたオンドルの魅力
①脱!もこもこソックス
元々冷え性の私は日本に住んでいる時は家の中でも足先が冷えもこもこソックスは冬の必須アイテムでした。
韓国に住み始めてからは、床がじんわりと温かいオンドルのおかげで、家の中では裸足で過ごすことができ、とても満足しています。
②部屋で厚着しなくていい!
韓国ではオンドルのおかげで冬でも室内が暖かく、また窓も二重扉の家が多いため温度を高めに設定するとタイトルにもあるように半袖でも余裕で過ごすことができます。
③ベッドが恋しくない!
じんわり温かい床は時にベッドよりも心地よく、ついつい床でゴロゴロ過ごしてしまいます。
我が家の子猫も、プレゼントしたフカフカベッドよりもすっかりオンドルの魅力にハマってしまい、写真の通り1日中床でゴロゴロ快適に過ごしています。
④操作も簡単楽チン!
機械や説明書音痴の私ですが、最近のオンドルは操作もとても簡単で、ワンタッチで電源のオンオフができたり温度が変えられる点も魅力に感じています。
⑤家族だんらんの時間が増える
日本では冬にこたつでお鍋を食べたりするように、韓国も冬は食卓テーブルよりも床に近い低いテーブルで食事やお茶をする時間が増えます。
温かい床のおかげで家族みんなが同じ空間に集まり時間を過ごすことができる点もオンドルの魅力のひとつだと感じています。
⑥エアコンよりも乾燥しにくい!
オンドルは床を温めて部屋の温度を均一に保たせるため、空気を温めるエアコンに比べると乾燥しにくいと言われています。
個人差はありますが、実際に私もエアコンを使用していた時に比べると、乾燥で悩むことがほとんどなくなったなと実感しています。
韓国旅行で使える!オンドルにまつわる韓国語
私の卒業した高校は修学旅行先が韓国だったのですが、その際に初めて韓国のオンドルを経験しました。
ホテルの部屋のオンドルの温度が高すぎて温度調整を試みたのですが、当時は韓国語も読めず話せなかったので朝まで苦労した思い出があります。
今回はそんな時にホテルや宿泊先で使える韓国語フレーズをいくつか紹介するので、参考にしてみてくださいね。
①部屋にオンドルはありますか?
방에 온돌이 있어요?(バンエ オンドリ イッソヨ?)
②温度を上げて/下げてください。
온도를 올려/낮춰 주세요.(オンドルル オルリョ/ナッチョ ジュセヨ)
③温度調整はどうやってしますか?
온도조절은 어떻게 해요? (オンド チョジョルン オットケヘヨ?)
④部屋が寒い/暑いです。
방이 추워요/더워요. (バンイ チュウォヨ/トウォヨ)
韓国は冬でも室内がオンドルでぽかぽか!なくてはならない存在
今回は韓国のオンドルの歴史と魅力を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
タイトルには「冬でも半袖を着る」と書いてありますが、ホテルや宿泊先によってオンドルの有無やシステムは違うので十分に温かい格好、防寒グッズを用意して訪れてくださいね。
冬の韓国を訪れる予定がある方は、ぜひオンドルを経験してみてくださいね!
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