【韓国文化シリーズ|住宅事情編】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(後編)

街並み

韓国ドラマや映画でもよく見かける韓国のお家。みなさんはこのような映像を通して、韓国のお家と日本のお家との違いを見つけたことはありますでしょうか?実は結構違いがあり、驚くと同時に大変興味深いです。今回は後編として、韓国の家の間取りや制度について紹介します!

こちらの記事の前編では、韓国の家の種類を詳しく紹介しました。アパート(아파트/アパートゥ)やマンション(맨션/メンション)の言葉が差すものが日本語とは異なることや、韓国独特のオフィステル(오피스텔/オピステㇽ)やコシウォン(고시원/コシウォン)・コシテル(고시텔/コシテㇽ)なども紹介しています。まだお読みでない方は、ぜひあわせてご覧ください。

▼前編の記事はこちら:【韓国の住宅事情】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(前編)

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目次

韓国には実質ただで家を借りられる制度がある?!

韓国のうらやましい制度のひとつとして、実質ただで家を借りられる「チョンセ(전세)」という制度があります。韓国では長く親しまれてきた独特の家賃制度です。

その仕組みを簡単に説明します!

①まず、家の借り手が持ち主に対して、保証金を預ける。

②持ち主は、受け取った保証金を、投資などさまざまな形で運用して収入を得る。

③借り手が家を退出するときには、その資金が全額借り手に戻ってくる。

保証金の金額は、持ち主の希望や借り手の事情、その時代の金利や住宅価格に合わせて決まることになります。

「チョンセ(전세)」の保証金の額は、最近ではおおむね売買価格の70%ほどのケースが多いそうです。

ワンルーム(원룸/ウォンルㇺ)に一時的に住むのではなく、たとえば結婚して固まったお金を用意した状態で長期的にアパート(아파트/アパートゥ)を借りる予定があるのであれば、「チョンセ(전세)」の制度を利用する方が多い印象です。

ワンジョンの他の記事でも、韓国の賃貸の形式や特徴を紹介しています。より詳しく知りたい方は、そちらの記事もご覧ください。

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韓国の家の間取りの特徴

日本とは少し異なるかもしれない?と感じる韓国の間取りの特徴を紹介します!

室内

①オンドル(床暖房)がある

韓国の伝統的な暖房方法であるオンドル。床下や壁の中に配管を通し、熱風や蒸気を送ることで床全体を暖める床暖房のことです。韓国では、このオンドルが一般的で、足元から暖めて冬の寒さを乗り越えます。

②ベランダは室内

韓国は冬場には-20℃という寒さになります。そのため、屋外にテラスやバルコニーを設置しても、冬場には冷え切った外にでないといけないのは不便です。そこで韓国のベランダは、ひとつの部屋の中に組み込まれた場所、仕切られた小部屋的なものとして、室内に設置されています。ガラス貼りになっていますが、外気には触れないようになっています。このスペースに洗濯器を置き、洗濯物を乾かすというのが一般的です。

③シャワー・洗面台・トイレがひとつの部屋にある

韓国では、シャワーと洗面台、トイレをひとつの空間にぎゅっとまとめることで、スペースを最小限に抑えています。抑えた分、寝室など居住空間を広くしたり、各寝室の近くにシャワー・洗面台・トイレの空間を設ける(ひとつの家の中に複数設ける)ような間取りにします。シャワーを浴びたり、トイレを使ったりする場所がひとつの家に2箇所あれば、家族の間でバッティングすることも少なくていいですね。

④基本的にバスタブはない

バスタブについては、韓国にないというよりかは日本にしかないという方が正しいのかもしれません。自宅で毎日ゆっくり入浴するのは日本独特のカルチャーと言ってもいいかもしれません。韓国もシャワー文化が基本で、バスタブがない場合が大多数です。

ただし、新しい物件ではバスタブが備え付けられていることもあるそうです。また、たまに入浴したいという方向けには、簡易組み立て式のバスタブが売られていたりもします。

映画パラサイトで有名になった半地下住宅について

2019年に公開された韓国映画『パラサイト 半地下の家族』はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。そこに登場した韓国のお家のひとつに、半地下住宅がありました。

この半地下住宅についても気になる方が多いのではないでしょうか。少し紹介します。

歴史的な背景があり昔から韓国にある形態なのですが、最近は数が減ってきているそうです。今では、ソウルでたまに見かけることがありますが、半地下物件は住宅としてだけではなく、小さなオフィスや店舗、美容室、カフェなどの商業スペースとしても使用されていることもあります。お洒落に改装して隠れ家的な雰囲気を作り出していたりしています。

半地下住宅は、地上の住宅に比べて家賃が安いことが最大のメリットです。一方でデメリットは、地上の住宅に比べて日当たりが悪く、湿気が溜まりやすいというところです。また半分が地下ということで、雨水の侵入があります。映画『パラサイト 半地下の家族』でもそのような場面が登場しましたね。

まとめ【韓国文化シリーズ|住宅事情編】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(後編)

ここまで、韓国の家の種類や間取り、賃貸の精度などを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。日本と異なる点が意外とありますよね。これらを知りながら、韓国ドラマや映画を見てみるとまた一味違った観点で楽しめるかもしれません。ぜひ韓国文化好きの家族や友人にも教えてあげてみてください。

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この記事を書いた人

KARENのアバター KAREN ワンジョンライター・ディレクター

日韓夫婦/韓国在住
大学卒業後、ITベンチャー企業のカスタマーサクセス部、web集客・販促コンサルティング企業のPMOを経て、現在はフリーランスとしてwebライター・ディレクターを務める傍ら、生成AIのプロンプトエンジニアリングも行っている。

結婚後、韓国カンヌン市に移住。韓国人パートナーと出会う前までは、韓国文化をあまり知らなかったが、出会ってからは韓国文化に興味が湧き、深く知りたいと思うように…

現地で肌で感じた素敵な韓国文化を、日本の皆様へお届けします♡

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