【韓国文化シリーズ|住宅事情編】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(前編)

街並み

韓国ドラマや映画でもよく見かける韓国のお家。みなさんはこのような映像を通して、韓国のお家と日本のお家との違いを見つけたことはありますでしょうか?実は日本にはない形態の家があったりして、大変興味深いです。そこで今回は前編として韓国の家の種類を紹介します。

目次

韓国の家の種類はとても多様!

まずは韓国の家の種類を8つ紹介します。

日本よりも種類が多い気がします。日本にないスタイルもあり興味深いですよ。

【韓国の家の種類①アパート(아파트/アパートゥ)】

アパート(아파트/アパートゥ)と呼ばれる家の形態が韓国で最も一般的です。

ただし、韓国でいうアパート(아파트/アパートゥ)が、日本でいうアパートと意味するのもが異なるということに注意です!

日本でいうアパートとは、一般的に木造や軽量鉄骨造などの比較的低層の賃貸共同住宅を指す言葉ですよね。一方で韓国でいうアパート(아파트/アパートゥ)とは、高層または中層の集合住宅を指します。韓国のアパート(아파트)は、むしろ日本のマンションに近いイメージです。ややこしいですよね。

ビル

アパート(아파트/アパートゥ)は管理がよく行き届いており、セキュリティやエレベーター、駐車場などが整っています。また、学校・交通機関・商業施設に近い場合が多く、交通の便も良いです。

都市部では非常に高価なのですが、都市部にすむ若者はアパート(아파트/アパートゥ)を好む印象があります。特に最近は結婚した夫婦は、アパートを購入するケースが多い傾向にありそうです。

実際に韓国で体験したアパート(아파트/アパートゥ)への引越しレポートはこちら。

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【韓国の家の種類②オフィステル(오피스텔/オピステㇽ)】

オフィステル(오피스텔/オピステㇽ))は聞きなれない言葉ですよね。日本ではあまり見かけませんが、韓国ではよく見かける家の形態です。オフィステル(오피스텔/オピステㇽ)という名前は「オフィス + ホテル」からできており、言葉どおり住居兼オフィスとして使えるような小型住宅です。

短期契約も可能な物件が多く、さらに家具付きの場合が多いので、入居ハードルが大きく下がります。また管理が簡単なところも良いですね。そのためか、主に一人暮らしの若者や会社員に人気です。

【韓国の家の種類③ヴィラ(빌라/ヴィㇽラ)・マンション(맨션/メンション)】

ヴィラ(빌라/ヴィㇽラ)やマンション(맨션/メンション)はほとんど同じ意味で、低層の集合住宅(2〜5階程度)を指します。(※マンション(맨션)は、比較的高価なビラを指す時に使われることもあり。)

先ほど韓国のアパート(아파트/アパートゥ)の紹介でも触れたように、韓国語のアパート(아파트)は日本語のマンションと同じものを指すのですが、逆に韓国語のマンション(맨션/メンション)は日本語のアパートのようなイメージです。反対の意味になるので注意が必要です!

家賃が手頃で、静かな住宅街に多いです。築年数が古い場合は断熱性や防音性に劣ることもあるので、お部屋選びは慎重に行う必要がありそうです。

【韓国の家の種類④単独住宅(단독주택/タンドㇰジュテㇰ)】

単独住宅(단독주택/タンドㇰジュテㇰ)は、韓国語の漢字表記から想像できるとおり、日本の一戸建て住宅と同じ形態を指します。つまり、個人所有の一戸建てのことです。

韓国では、日本と同様に都市部より郊外に多いです。広くてプライバシーが確保されるところが利点です。しかし都市部では、非常に高価で維持費もかかり、管理も面倒だという理由で、マンションの方が人気です。

【韓国の家の種類⑤多世帯住宅(다세대주택/タセデジュテㇰ)】

多世帯住宅(다세대주택/タセデジュテㇰ)は1つの建物の中に複数の世帯(通常は3〜4世帯以上)が別々に暮らす形態の住宅のことです。日本にも二世帯住宅は結構ありますよね。

韓国では、マンションが一般的な住宅形態として広く普及していますが、多世帯住宅も一定の需要があります。特に、高齢化や核家族化が進む中で、家族間の連携を重視する人々や、経済的な理由から多世帯住宅を検討する人々もいます。

【韓国の家の種類⑥韓屋(한옥/ハノㇰ)】

韓屋(한옥/ハノㇰ)は伝統的な韓国の家屋。大きな特徴は、木造で瓦屋根、オンドル(床暖房)を備えていることでしょうか。最近ではあまり見かけませんが、全州(チョンジュ)やソウル北村(プッチョン)などの伝統村に多く残っています。

家

自然との調和や四季を感じられる構造、綺麗な庭が若い人にも受け、最近ではカフェ、宿泊施設、文化体験施設などに改装されていることもしばしば。

日本語で「韓屋ステイ」などと検索すると、韓屋の宿泊施設を紹介するページがヒットしたりもします。韓国旅行で韓屋ステイを体験してみても面白いかもしれませんね。

【韓国の家の種類⑦ワンルーム(원룸/ウォンルㇺ)】

ワンルーム(원룸/ウォンルㇺ)は1つの部屋の中に生活に必要な空間がすべて揃っている小型の住居です。日本のワンルームマンションに似ていますが、韓国独特の特徴もあります。

韓国のワンルーム(원룸/ウォンルㇺ)は、基本的にベッドや机、冷蔵庫、洗濯機などの家具・家電付きの物件が多いです。光熱費・インターネット・水道代込みの物件も多いです。

日本人で韓国留学する人は、留学期間の家としてこのワンルーム(원룸)を選択することが多いのですが、契約時の注意点があります。

毎月一定の家賃を払っていくいわゆる賃貸契約をすると、「ウォルセ(월세)」と呼ばれる毎月の家賃を払うことになります。それに加えて韓国にも日本と同様に、보증금(ボジュングㇺ)と呼ばれるいわゆる保証金を前払いする仕組みがあります。これが、日本と比べて高いのです。金額は約1年分以上の家賃に相当します。ワンルームの場合は基本的に数百万ウォン〜で、たとえば家賃が50万ウォンの場合は保証金500〜1,000万ウォンほどになります。日本では、ワンルームを借りる際に初期費用はそれほどまで掛からないのですが、韓国の場合はワンルームであっても最初にまとまったお金の用意が必要になります。

보증금(ボジュングㇺ)は、入居者が何らかの事情で家賃を払えなくなった場合などのために家主が備えるもので、退出する時に未納の家賃や部屋の損傷などがあれば、その分を差し引いて保証金が戻ってきます。

しかしワンルーム(원룸/ウォンルㇺ)の周辺には学校やコンビニ、カフェ、ジムなどの施設がある場合が多く、保証金の問題さえ解決できれば留学生の一人暮らしにとても適しています。

【韓国の家の種類⑧コシウォン(고시원/コシウォン)・コシテル(고시텔/コシテㇽ)】

コシウォン(고시원/コシウォン)・コシテル(고시텔/コシテㇽ)は、非常に小さなワンルームの下宿を指します。主に受験生や低所得者、留学生向けの家です。

家賃が非常に安く敷金が不要な場合も多いのですが、狭く、プライバシーや防音性は低いです。

まとめ【韓国文化シリーズ|住宅事情編】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(前編)

ここまで、韓国の家の種類を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。日本と異なる点があったり、日本にない形態があったりして、面白いですよね。これらを知りながら、韓国ドラマや映画を見てみるとまた一味違った観点で楽しめるかもしれません。ぜひ韓国文化好きの家族や友人にも教えてあげてみてください。

▼後編の記事はこちら:【韓国文化シリーズ|住宅事情編】韓国の家は日本と異なる点が多くて面白い?!(後編)

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この記事を書いた人

KARENのアバター KAREN ワンジョンライター・ディレクター

日韓夫婦/韓国在住
大学卒業後、ITベンチャー企業のカスタマーサクセス部、web集客・販促コンサルティング企業のPMOを経て、現在はフリーランスとしてwebライター・ディレクターを務める傍ら、生成AIのプロンプトエンジニアリングも行っている。

結婚後、韓国カンヌン市に移住。韓国人パートナーと出会う前までは、韓国文化をあまり知らなかったが、出会ってからは韓国文化に興味が湧き、深く知りたいと思うように…

現地で肌で感じた素敵な韓国文化を、日本の皆様へお届けします♡

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