夫婦の関係性や家族との関係性は、日本のそれらと異なる点もあります。たとえば、夫婦別姓であることや家族親戚の集まりが沢山あることなどが挙げられます。そこで今回は、具体的にどのような点が異なるのかを解説していきます。
それでは、韓国にある商品や食べ物、文化など…さまざまなことに興味深々な韓国在住ライターKARENが、韓国に住んでいるからこそ持っている視点も交えながらお届けいたします〜!
韓国と日本の家族観の違い①夫婦の日常
まず最初に思い浮かぶのは、連絡頻度の高さです。
韓国人の連絡頻度は、カップルの段階でも十分高いのですが、夫婦になってもなおマメに連絡を取り合い続けます。韓国人は夫婦になっても一日中連絡を取り合うことが多く、むしろ夫婦になったことで一体感が増して連絡がさらに増えることもあります。仕事の話題もプライベートな話題も、基本的には何でも共有することが当たり前となっています。
また、意思をはっきり伝えることも日本と異なる傾向ではないでしょうか。韓国人は「YES」「NO」をはっきりと相手にわかるように伝えます。明確に伝える方が理解しやすくていいとされています。韓国人が意思をはっきりと伝えるというのは、夫婦関係だけではなく、カップルや友人、家族関係においても同様に当てはまります。
一方で日本では、「本音と建て前」という言葉があるように、相手が傷つかないように気を遣う婉曲的な表現が多いです。嫌なこともやんわり伝える方ががいいのでは?と考える方が多いのではないでしょうか。
日本ではやんわりと表現したがゆえに、上手く相手に考えが伝わりきらずすれ違いや夫婦喧嘩になってしまうことがあるのに対し、韓国でははっきりと意見を伝えることで意見がぶつかり合って喧嘩になることが多い印象です。
韓国と日本の家族観の違い②夫婦別姓
既にご存じの方も多いかもしれませんが、韓国では結婚しても夫婦別姓のままです。韓国では、昔から伝統的に絶対的夫婦別姓です。
古代中国から伝わった儒教の教えにより韓国人は血の繋がりを重んじており、結婚して相手の姓を名乗ることは「先祖にたいしてとても失礼なこと」と考えられるそうです。
夫婦の間に子供が生まれたら、父親の姓を継ぐことになります。ですので、女性の場合は父の姓を継ぎ、自身の子には姓を継がすことができないという仕組みです。しかし最近では、女性たちの頑張りにより、旧来の法制度に徐々に変更が加えられているようです。
ちなみに夫婦別姓の韓国ですが、国際結婚の場合はどちらか選択することができますよ。
韓国と日本の家族観の違い③家族の日常
韓国には안부전화(安否電話)という文化があります。
その名の通り安否確認のために電話をかけることを意味します。この안부전화(安否電話)は、特に両親に向けてすることが多いです。
日本でも両親に電話をかける機会はあるかと思いますが、離れて暮らす両親やなかなか会えない両親にかける場合が多いのではないでしょうか。また、たまにメッセージは送っても、電話はめったにかけない家族も多いのではないでしょうか。
一方韓国では、特に用事がなくても声を聴くために、数日に1度は子供から両親に電話をする家族が多いです。
そして、結婚してからは妻が義両親に電話をかけることも礼儀の一つとされています。ただし、最近はこのような考え方は薄れてきている印象はあります。
しかし、実の子から両親への電話は実際に本当に多く、当たり前に一日に何度もかける家族もいるのだとか。
さらにもう一点、私自身が韓国に嫁いで驚いた事実として、家族間の会話は敬語というルールがあります。
日本では自分の両親や祖父母に対しては、「●●されますか?」などの敬語を使わない場合が多いですし、第三者に身内の話をする時にも、「私の祖父が●●されました。」などの敬語は用いません。
ところが、韓国では両親や祖父母など家族に対しても、第三者に家族の話をする時も、敬語で話します。日本とは全く異なる文化なので最初は驚きました。これも、儒教の教えが影響しているのでしょうか。身内であっても目上の人に対しては必ず敬語を使用しなければなりません。
韓国と日本の家族観の違い④家族の呼び方
韓国の家族の呼称は細かく決まっています。自分との関係や性別ごとに、ひとつひとつ異なる呼称があります。
たとえば、日本では自分より年上の兄弟のうち男は「兄」女は「姉」と呼びますよね。
韓国では、「兄」の中でも自分自身が男の場合は「형 (ヒョン)」女の場合は「오빠 (オッパ)」、「姉」の中でも自分自身が男の場合は「누나 (ヌナ)」女の場合は「언니 (オンニ)」と呼ぶように、自分との関係性や性別により細かく呼び方が異なります。
祖父母の呼び方も、「祖父」が父方であれば「할아버지 (ハラボジ)」母方であれば「외할아버지 (ウェハラボジ)」、「祖母」が父方であれば「할머니 (ハルモニ)」母方であれば「외할머니 (ウェハルモニ)」となります。
ここまで詳細に呼び方が定められているのは、日本と大きく違いますよね。
▼さらに詳しく家族・親戚の呼び方がまとまっている記事があるので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
韓国と日本の家族観の違い家族の集まり
韓国では家族で集まる機会が日本よりもかなり多いです。
家族で集まる機会といえば日本では、お正月やお盆、GWといったところでしょうか。
韓国では、日本の「お正月」「お盆」のような行事の、旧正月「설날(ソルラル)」と中秋の名月の秋夕「추석(チュソク)」に加え、日本の●回忌などにあたる「法事」である祭祀「제사(チェサ)」が、なんと毎年行われます。そして本家の長男は、自分達の両親だけでなく3代前までの両親それぞれの祭祀「제사(チェサ)」をしないといけないのです。となりますと、年に何度も何度も家族で集まることになります。
しかし、最近ではこのような集まりの規模が縮小してきていたり様式がカジュアル化してきているようです。
韓国と日本の家族観の違い -まとめ
韓国と日本の家族間の違いについて、いくつか取り上げてご紹介してみました。
これら家族との接し方や家族同士の持つ考え方などの違いについて知り、驚きましたか?
お隣の国同士であるものの異なる文化が結構あり興味深いな…と感じていただけたら幸いです!