韓国でもあんこは、日本と同様に親しまれており、あずき(小豆)を使った伝統的なお菓子やデザートが数多くあります。特に、寒い季節にはあんこの温かいスイーツが人気ですし、夏には冷たいあんこのデザートが定番です。そんな中、最近ではあんことバターを組み合わせたパン「あんバター」が韓国の若者の間で大流行し、カフェの人気メニューとして注目されています。
そこで、本記事ではこれまで100件以上の韓国カフェに訪問したライターのかわとが、韓国で楽しめるあんこメニューや、話題のあんバターを味わえるカフェについて紹介します。
韓国で親しまれている「あんこ」を使った料理
韓国であんこは「팥(パッ)」と呼ばれ、昔からお祝いの席や日常のおやつとして親しまれています。ここでは、あんこを使った韓国の代表的な食べ物をいくつか紹介します。
「あんこ」を使った韓国の料理①あんこホットク(팥호떡)
ホットクとは、もちもちした生地の中に甘いシロップやナッツを包んだ冬の定番ストリートフードです。あんこホットクは、その名の通りあんこを包んだホットクで、「팥호떡(パッホットク)」と呼ばれています。ホクホクの生地とあんこの甘さが寒い冬にぴったりです。
「あんこ」を使った韓国の料理②プンオパン(붕어빵)
プンオパンとは、日本のたい焼きのような食べ物で、あんこホットク同様冬の定番ストリートフードとして韓国で愛されています。たい焼きより小ぶりで、もっちりとした生地とあんこの控えめな甘さがクセになります。
「あんこ」を使った韓国の料理③くるみ饅頭(호두과자)
くるみ饅頭は、カステラ生地の中にあんことくるみが入った昔ながらのお菓子で、韓国では「호두과자(ホドゥクァジャ)」と呼ばれています。地下鉄の改札付近などで売られている韓国人の生活に根付いた人気のお菓子です。
「あんこ」を使った韓国の料理④パッチュッ(팥죽)
あんこを使ったお粥のことで、特に寒い冬の季節に愛される一品です。日本のおしるこやぜんざいのような甘みはなく、食事として食べられています。
「あんこ」を使った韓国の料理⑤パッピンス(팥빙수)
あんこを使った韓国式かき氷のことで、特に暑い夏によく食べられます。あんこだけでなく、お餅やきなこを一緒にトッピングするお店も多いです。
「あんこ」を使った韓国の料理⑥パッカルグクス(팥칼국수)
あんこ入りのスープに麺を入れた郷土料理で、甘さと塩味が絶妙な一品です。少し変わった食べ物ですが、韓国では、パッカルグクスのインスタント麺が販売されるほど根強いファンがいます。
「あんバター」が有名な韓国の人気カフェに行ってみた
ここ数年、韓国ではあんことバターを組み合わせたパン「あんバター」が大きなブームとなり、各地のカフェがこぞってメニューに取り入れています。パンにたっぷりのあんこと濃厚なバターが入ったあんバターは、甘さと塩気のバランスが絶妙で、クセになるおいしさです。
今回は、韓国で「あんバター」が楽しめるカフェとして有名な「ソウルコーヒー(서울커피)」にお邪魔しました。ソウルコーヒーは、韓国らしいレトロな雰囲気と、韓国の伝統を感じさせるメニューが特徴のカフェで、韓国らしいレトロモダンな雰囲気の中で味わう「あんバター」は、ソウルっ子だけでなく観光客にも愛されています。
ソウルコーヒー は、韓国の人気観光地「益善洞韓屋通り」にあります。韓国の伝統的な家屋「ハノク(한옥)」をリノベーションしているため、木造建築の温かみと韓国特有の伝統美を感じられます。そんな韓国らしさが詰まったソウルコーヒーは、ソウルの若者や観光客のあいだでレトロ可愛い写真映えスポットとしても人気です。
あんこを使ったソウルコーヒーの人気メニュー「あんバター食パン」
ソウルコーヒーの人気メニューは、「あんバター食パン」です。「ミルク(写真右)」と「イカ墨チーズ(写真左)」の2種類があり、両方食べてみたのですが、どちらもとてもおいしかったので、詳しくレポートします。
「ミルク」は、小さな食パンに切り込みを入れ、たっぷりのあんことバターを挟んだなんとも可愛らしい一品。あんこの甘みとバターの塩気が口の中で溶け合い、しっとりとしたトーストとの相性が抜群でした。あんこはとても滑らかで口当たりがよく、甘すぎないので一人でパクッと食べられます。バターにもこだわっており、厳格な基準をクリアした高品質のAOPバターのみを使用しているとお店の方が教えてくれました。パンが少し温められた状態で提供されるので、パンに触れているバターはジュワッと溶け、パンからはみ出ている部分はひんやりとしていて、その食感の違いがとても面白かったです。
「イカ墨チーズ」は、イカ墨を使った真っ黒な食パンにあんことバター、スライスチーズを挟んだ一品です。これまでたくさんの韓国カフェに行きましたが、あんことチーズの組み合わせは見たことがなかったので、正直味の想像がつきませんでした。
いざ食べてみると、あんこの甘さとバターの濃厚さに加え、チーズの塩味がアクセントになっていてとても食べやすかったです。スイーツパンとお惣菜パンの中間のような甘じょっぱい味わいで、個人的にかなり好みでした。衝撃的なビジュアルで写真映えもするので、他にはない珍しいデザートを求める方にぴったりです。
ドリンクは、お店の方に勧めてもらい「ゆずチョンへヒャンクラッシュ」をいただきました。チョンへヒャンはみかんの一種で、日本では「せとか」と呼ばれています。ゆずとチョンへヒャンの爽やかな風味と炭酸の爽快感が意外にあんバター食パンと相性が良く驚きました。普段、デザートにはアメリカーノを合わせるのが好きなのですが、デザートとさっぱりしたドリンクとの組み合わせもまたおいしいですね。ドリンクに乗ったシャーベットもしゃりしゃりとした食感とさっぱりとした甘みがとても好みでした。
ちなみに、ソウルコーヒーでは、「あんバター食パン」以外にも濃厚なアイスクリームに煎餅をトッピングしたラテやアイスクリームにあんこやきな粉餅、おこげ煎餅を乗せたデザートなど韓国の伝統を感じられるメニューがたくさん取り扱われていました。韓国ならではのレトロな雰囲気を感じられるこのカフェは、ソウル散策の一休みにぴったりそうですね。
▼今回お邪魔したソウルコーヒーの住所と公式Instagramはこちら
住所:ソウル市鍾路区スピョ路28ギル 33-3(서울 종로구 수표로28길 33-3)
公式Instagram:@seoulcoffee1945
韓国でもあんこは人気!「あんバター」で話題のカフェに行ってみたまとめ
本記事では、韓国で食べられている人気のあんこ料理や、話題のあんバターを味わえるカフェについて紹介しました。韓国でも一般的にあんこが食べられていることに驚いた方もいるのではないでしょうか?もし韓国に訪れる際は、韓国ならではのあんこ料理や今回紹介したあんバターに、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。