こんにちは!2カ月に1度渡韓し、現地グルメや韓国旅行に関するお役立ち情報を発信している韓国グルメ・トラベルライターのyuukaです。『ワンジョン』では韓国グルメや文化、最新の旅行情報の記事を担当しています。
疲れた身体にじわ~っと染みわたるアツアツの参鶏湯(サムゲタン)。日本人のファンも多い韓国の伝統料理です。
今回は、参鶏湯とはどのような食べものなのか、期待できる効能などを解説します。記事の後半では、日本屈指のコリアタウン 大阪・鶴橋エリアで参鶏湯が楽しめるお店6店舗をご紹介します。最後までチェックしてくださいね!
韓国グルメ・参鶏湯ってどんな食べもの?
「韓国料理」と聞いていち早く思い浮かぶ料理の1つが「参鶏湯(삼계탕)」。滋味深い味わいのスープは、サムギョプサルやホルモン、韓国焼酎にビールと、少々こってりした韓国料理をたらふく食べた翌日の朝にぴったり。胃腸が休まり、やさしい味が全身に染みわたる感覚がありますよね。
参鶏湯という料理名は、高麗人参を意味する「蔘(サム)」、鶏肉を表す「鶏(ゲ)」、そしてスープを指す「湯(タン)」を組み合わせてできた言葉。その名の通り、生後数十日の若鶏のお腹にもち米、高麗人参、なつめ、にんにくなどの食材に加え、鹿茸(ロクジョウ)や黄花黄耆(キバナオウギ)といった漢方を詰め込んで長時間煮込んだ薬膳スープ料理です。
味付けはいたってシンプルで、塩コショウのみが一般的。ただ鶏の旨味と食材の栄養が溶け出した、コクのある白濁スープは、食欲のない日も食べやすい素朴で奥深い味わい。古くから現在に至るまで多くの人を魅了しています。
実は夏に食べる!?アツアツ参鶏湯
「寒い時期こそ温かい参鶏湯を食べたい……」と考えがちですが、実は韓国では参鶏湯は、夏バテ防止のスタミナ料理として知られているんです!とくに「伏日(ポンナル)」と呼ばれる夏の最も暑い時期に食べるのが定番。この期間は、韓国の参鶏湯専門店には行列ができるほどです。
この食習慣には、韓国流の暑さ解消法「以熱治熱(イヨルチヨル)」の考え方が関係しているよう。「暑さは暑さで制する」という発想で、温かい食べ物で体の内側から汗をかき、体温調節をしよう、という理論で汗をかきながら参鶏湯を食べるのが韓国の夏の風物詩となっています。
昔は王族しか食べられなかった!参鶏湯
韓国料理の根底には「薬食同源」の考え方があります。薬食同源は「食べるものと薬になるものの源は同じである」という意味で使われ、日ごろから自分の体調に合わせて食材を摂ることが体の調子を整えることにつながる、という考え方です。
薬食同源の料理の代表格とされるのが、韓国の宮廷料理。当時宮廷で食べられていた料理は、今の「韓国料理=辛い」のイメージを覆す、唐辛子を使わないヘルシーなものばかりでした。その1つだったのが、参鶏湯。今でこそ多くの人を魅了する参鶏湯ですが、古くは王族しか食べられない料理だったのですね!
参鶏湯を食べて得られる効能って?
参鶏湯には、韓国の伝統的な薬膳の知恵が詰まっています。使われる食材には、さまざまな効能があると考えられています。
メインの鶏肉はタンパク質が豊富。ほかの肉類と比べて胃腸の負担になりにくく消化しやすく、体を温めてくれます。
消化不良や下痢など胃腸の不調をやわらげ、働きを活性化するエネルギー源になると考えられているのは、鶏のお腹に入るもち米。
参鶏湯に欠かせない高麗人参は心身の疲労回復を促す効果があることで知られており、サポニンと呼ばれる成分が豊富に含まれています。
鉄分やミネラルが豊富なナツメは、胃腸の調子や心身の疲れをやわらげる役割があるといわれ、干したナツメは実際に漢方薬にもしばしば用いられているのですよ!
「滋養食」として知られる参鶏湯。体のはたらきをポジティブにしてくれる食材がたくさん入っていることがわかりますね。
大阪・鶴橋で参鶏湯が食べられる店6選
さてここまで読んでくださった方なら、そろそろ参鶏湯が食べたくなってきたのでは?
ここからは、日本屈指のコリアタウン大阪・鶴橋で参鶏湯が食べられる飲食店を6店舗ご紹介します!
1 チング
料理好きの韓国人オモニ(お母さん)が手間暇かけて作る参鶏湯が楽しめる「チング」。韓国から取り寄せて自家漢方を仕込みじっくり煮込んだ参鶏湯は、食材の旨味が染み出したコクのある味わい。鶏肉は別添えのお塩に付けて食べてもスープに入れても ◎
チング
住所:大阪府大阪市生野区鶴橋1-4-5
TEL:06-6731-8118
営業時間:11:00-22:00
定休日:毎週水曜
公式インスタグラム:@tsuruhashi__chingu
2 韓国料理 新 漢松
さまざまな韓国料理がラインナップするなか、参鶏湯は店主自慢の一品。まろやかな口当たりで滋味深い味わいのスープに、ほろほろと骨が崩れるほどじっくり煮込んだ鶏肉は、口のなかで溶けていくよう。ランチメニューには、鶏を半分にした「半鶏湯定食」もあるので1人ごはん利用もOK。
韓国料理 新 漢松
住所:大阪府大阪市生野区鶴橋2-14-8
TEL:050-5595-7043
営業時間:10:30-22:00
定休日:毎週火曜
公式HP:https://running2952.wixsite.com/website-1
3 蔘鶏湯人ル はなれ
大阪・鶴橋で40年以上の歴史がある韓国料理の名店「韓味一」をルーツに持つ「蔘鶏湯人ル はなれ」。同店で提供するメニューは、彩豊かなおかず7種類がセットになった「蔘鶏湯御膳」のみ。代々レシピを受け継いだこだわりの参鶏湯は、あっさりとした味わい。4種類のツケだれで味変も楽しんで。
2024/10中の店内改装および社員研修のための臨時休業を経て、2024/11よりリニューアルオープンされるそうです。
蔘鶏湯人ル はなれ
住所:大阪府大阪市生野区桃谷4-1-11
TEL:06-6768-0168(※Web予約のみ。電話予約不可)
営業時間:各回70分完全予約制
①11:00~12:10 ②12:30~13:40 ③14:00~15:10 ④15:30~16:40 ⑤17:00~18:10
定休日:不定休
公式インスタグラム:@hanare_osaka_niru_samgyetang
4 百年の礎
韓国直送のカニ料理「カンジャンケジャン」と参鶏湯の専門店。「百年の礎」は、「ノーマル参鶏湯」をはじめ「スパイシーカレー参鶏湯」や「トムヤンクン参鶏湯」など変わり種メニューが豊富!一度も冷凍していない生の若鶏のみを使用する参鶏湯を、さまざまな味わいで楽しめます。
百年の礎
住所:大阪府大阪市東成区東小橋3-19-23
TEL:06-6791-0770
営業時間:11:30-21:00
定休日:毎週水曜
公式インスタグラム:@hyakunennoishizue_tsuruhashi
5 韓国料理 まだん 鶴橋本店
韓国伝統料理からトレンドの料理まで幅広い韓国料理を提供する「韓国料理 まだん 鶴橋本店」。「自家製参鶏湯」は、ひな鶏にもち米、ニンニク、高麗人参、ナツメを詰めてじっくりと煮込んだやさしい味わいが疲れた体に染みわたります。
本場の雰囲気を堪能できると話題で、TV取材も多数受けているそうです。あの人気漫画『美味しんぼ』にも登場したそうですよ。話題の本格韓国料理『まだん』で、ぜひ本格参鶏湯を堪能してみてはいかがでしょうか。
韓国料理 まだん 鶴橋本店
住所:大阪府大阪市天王寺区舟橋町5-14 ループ真田山1F
TEL:06-6767-2525
営業時間:17:00-24:00
定休日:不定休
公式HP:https://www.madan.co.jp/index.html
6 韓国料理 我が家
韓国・済州島出身の明るいオモニが作る済州島郷土料理や韓国定番料理が楽しめる「我が家」。鍋料理が豊富な同店の参鶏湯は、ほろほろの鶏肉にもち米がたっぷり入り、体が内側から温まります。胃腸を休めたい日にランチ利用してみて。こじんまりとした韓国食堂のような店内は、リアルな韓国を体験出来るかも!?
韓国料理 我が家
住所:大阪府大阪市生野区鶴橋2-10-21
TEL:050-5868-7062
営業時間:11:00-14:00/16:00-22:00
定休日:毎週水曜
公式インスタグラム:@wagaya_tsuruhashi
【まとめ】韓国グルメ・参鶏湯の効能って?大阪・鶴橋の6店も紹介
今回は、参鶏湯とはどのような食べものか、期待できる効能や歴史などを解説し、記事の後半では日本屈指のコリアタウン 大阪・鶴橋エリアで参鶏湯が楽しめるお店6店舗を紹介しました。
夏の暑さを乗り切るスタミナ料理として知られる参鶏湯ですが、日本の韓国料理店でも気軽に楽しめる身近な韓国料理の1つですよね。
薬食同源。寒い季節には身体を温める料理として、また疲れを感じたときの元気チャージメニューとして、参鶏湯で体の調子を整えてみてはいかがでしょうか?