いよいよ2026年がスタート!日本では、新年は仕事や学校が休みになる人がほとんどで、ゆっくりと過ごす場合が多いはず。初詣に行ったり、おせちを食べたりと、新年の特別な文化も色濃いです。一方韓国では、新年は日本と全く異なる過ごし方をします。その相違点について迫ります!
そもそも韓国では、新暦の正月(1月1日)よりも旧暦の正月?!
実は、韓国の人々にとって「一年の始まり」としての大きなイベントがあるのは、新暦の正月(1月1日)ではなく、旧暦の正月(=旧正月)です。
韓国で旧正月は「설날/ソルラル」と呼ばれます。
2026年は、2月17日火曜日が旧正月です。当日の前後1日ずつが休みになり、3連休(または週末を挟んで大型連休)となります。
この旧正月には、日本の新暦の正月のように、毎年特定の食事メニューを用意します。
メイン料理はトックク(떡국)という餅スープです。ここで使用される餅は、うるち米で作った白い棒状のお餅を薄切りにしたもので、白い餅は純粋さや新しい始まりを象徴し、心身を清めて新年を迎える意味があります。韓国人には、「新年にトッククを食べる」=「1歳年を取る」と捉えられています。また、無病息災や長寿、金運上昇(小判型に似ているため)を願う縁起の良い食べ物とも言われます。
そのほか、チャプチェやチヂミ、カルビチム(牛カルビを甘辛く煮込んだもの)など、種類豊富な食事が豪華に用意されます。
韓国の旧正月では、特別な食事だけではなく、伝統的な儀式もあります。
・茶礼(차례/チャレ): 先祖に食べ物をお供えし、感謝を捧げる儀式を朝一番に行います。
・歳拝(세배/セベ): 子供や若者が、目上の人に対して床にひざまずき、丁寧にお辞儀をします。
・お年玉(세뱃돈/セベットン): 歳拝をした後、大人から子供へお小遣いを渡します。最近では日本と同じくポチ袋に入れますが、以前は直接手渡しすることも多かったです。
民族衣装の「韓服(한복/ハンボク)」を着る人も多く、家族や親戚と集まって「ユンノリ」という韓国伝統のすごろくのようなゲームを楽しんだりする家もあります。
▼こちらの記事では、「ユンノリ」についても解説しています!
韓国の旧正月は、「家族の絆を深め、先祖を敬う」という儒教的な要素が強く感じられます。
▼韓国の旧正月「ソルラル」の過ごし方について、さらに詳しく知りたい方はこちら!
【日本と韓国の違い】新暦の正月休みの過ごし方
日本では、1週間ほど仕事や学校が休みになります。特に、1月1日〜3日は三が日として多くの人が休みます。その間、初詣に行ったり、おせちを食べたり、箱根駅伝を見たり、比較的ゆっくりと過ごす人が多いのではないでしょうか。
一方で、韓国の新暦の正月は、1月1日のみ休日になります。12月31日まで普通に仕事をし、1月1日だけ休んで、1月2日からはまた通常通り出勤・登校するというのが一般的です。1月1日の休日も、お家でのんびりと過ごすというよりかは、友人や恋人とカウントダウンイベントを楽しんだり、日の出を見に行ったりする「イベントの日」という感覚に近い印象にあります。
では、以下に韓国の新暦の正月(1月1日)の過ごし方を、具体的にご紹介します!
■カウントダウンイベント
31日の夜から1月1日の深夜にかけては、街が全体的に盛り上がります。
・普信閣(보신각/ポシンガク)の除夜の鐘: ソウルの鐘路(종로/チョンノ)にある普信閣では、日本の除夜の鐘のような打鐘式が行われます。数万人が集まり、有名人や市長などが鐘を鳴らす様子がテレビで生中継されます。
・ライブや花火: ロッテワールドタワーや江南(カンナム)エリアなど、各地でカウントダウンコンサートや花火が打ち上がります。
■初日の出
これは日本と共通していますが、韓国の人も初日の出を重視します。
東海岸が人気: 「江陵(강릉/カンヌン)」にある正東津(정동진/チョンドンジン)など、東海岸の日の出の名所には、大晦日の夜から多くの人が移動し、海岸線が人で埋め尽くされます。
▼「江陵(강릉/カンヌン)」について紹介している記事もあります!
ソウル市内: 漢江(한강/ハンガン)沿いや、南山タワー(남산타워/ナムサンタワー)、市内の山に登って初日の出を拝む人も多いです。
■新暦でもトック
旧正月ほど盛大ではありませんが、1月1日の朝に家族で餅スープ「トックク(떡국)」を食べる家庭は多いです。「トックを食べないと年を取らない(正式に新年を迎えられない)」という意識があるためか、食堂などでもこの日はトックがよく売れます。
■店の営業
ソウルなどの都市部では、1月1日でも多くのお店やショッピングモール、レストランが営業しています。旧正月は街が閑散としますが、新暦の正月は「恋人や友人と過ごす華やかな祝日」という側面が強く、基本的に街は賑わいます。
■初詣はしない
日本のように「神社へお参りに行く」という国民的な習慣はありません。キリスト教徒は教会へ、仏教徒は寺院へ行くこともありますが、日本ほど「国民全員が初詣に行く」という雰囲気ではありません。
■年賀状は送らない
韓国では、旧正月には伝統的なデザインのカードを送ることもありますが、この文化も衰退してきています。
新暦の正月には、メッセージアプリのカカオトークで、「새해 복 많이 받으세요/セヘ ボッ マニ パドゥセヨ(新年の福をたくさん受け取ってください)」という画像やメッセージ、スタンプを送り合うのが主流です。
■福袋はメジャーではない
日本のような百貨店の福袋争奪戦も、新暦の1月1日にはあまり見かけません。
韓国語で新年の挨拶をしてみよう!
韓国語にも、新年の挨拶フレーズがあります。韓国語を勉強中の方や、韓国人の友達がいる方は、ぜひ活用してみてください!
■最も定番の挨拶:「あけましておめでとうございます」に当たる表現
・새해 복 많이 받으세요. (セヘ ボッ マニ パドゥセヨ/新年の福をたくさん受け取ってください)
■目上の方やビジネスで使う丁寧な表現
・행복한 한 해 되시길 바랍니다. (ヘンボカン ハネ デシギル パラムニダ/幸せな一年になるようお祈りします)
・올 한 해도 건강하고 행복하세요. (オル ハネド コンガンハゴ ヘンボカセヨ/今年一年も健康で幸せに過ごしてください)
・새해에도 좋은 일만 가득하시길 기원합니다. (セヘエド チョウンイルマン カドゥカシギル キウォナムニダ/新年も良いことばかりがあるようお祈り申し上げます)
■友達や年下に使うフランクな表現
・새해 복 많이 받아! (セヘ ボッ マニ パダ!/新年の福をたくさん受け取ってね!=あけおめ!)
・올해도 잘 부탁해! (オレド チャル プタケ!/今年もよろしく!)
・행복한 일만 가득하길! (ヘンボカン イルマン カドゥカギル!/幸せなことばかりありますように!)
新暦の正月休みに韓国旅行する場合の注意点
日本と韓国で、新暦の正月の過ごし方が違うと言えども、どちらの国でも街は通常とは異なる動きを見せます。
新暦の正月に韓国旅行する場合には、いくつか注意すべきことがあります。これらは毎年当てはまることなので、来年再来年…の正月休みに韓国に行く際にも注意が必要です。
■デパートは1月1日が休み
韓国では新暦の正月よりも旧正月がメインのため、多くの個人商店や飲食店は1月1日も営業していますが、大型施設は注意が必要です。
大手百貨店(ロッテ、現代、新世界など)は、1月1日は休業することがほとんどです。また、大型スーパー(eマート、ロッテマートなど)は営業していることが多いですが、店舗により休業や短縮営業の可能性があります。
ただし、明洞などの観光地にある ショップや飲食店は通常通り営業していることが多く、観光に困ることは少ないです。
2日以降は、すぐに平日モードに戻るため全て通常通りになることが大半です。
■大晦日の深夜と1月1日の早朝の移動
12月31日から1月1日にかけては例年、普信閣のカウントダウンに合わせるため、ソウル市内の地下鉄やバスが午前2時頃まで延長運行されます、
カウントダウン会場の最寄り駅(鐘閣駅など)は、混雑がひどい場合、一時的に電車が止まらずに通過することがあります。これは、デモが行われるときと同様です。
1月1日の早朝に「初日の出」を見に海沿い(東海岸の江陵など)へ移動する場合、道路は非常に混雑し、KTX(高速鉄道)のチケットも即完売します。事前に購入することをお勧めします。
■マイナス10度以下の「極寒」に耐えられる服
1月の韓国(特にソウル)は、日本とは比較にならないほど寒いです。毎年新年には寒い日が続きます。
ロングダウンジャケットなど腰回りやお尻が隠れる丈のダウンジャケットが必須です。また、氷点下の風が吹くと、肌が出ている部分が痛くなります。マフラーや手袋、耳当て、ニット帽なども必須アイテムです。下半身も、ジーンズ1枚などでは寒さが貫通してしまいます。裏起毛のレギンスや厚手のタイツを中に履くと安心でしょう。
ただし、室内や地下鉄の中は暖房が非常に強いため、簡単に脱ぎ着できるように重ね着すると便利です。
■航空券とホテルの予約
航空券は、日本からの旅行客が増える時期なので、価格が高騰し、予約も埋まりやすいです。ホテルも、12月31日の夜は、特にソウル市内で混み合います。カウントダウン会場や漢江(한강/ハンガン)近くのホテルは早めの確保が必要です。
お隣の国、韓国の新年の過ごし方も楽しい!
韓国はお隣の国ですが、新年の過ごし方が日本とは異なります。
韓国の新年も楽しそうですよね。
今後もワンジョンでは韓国の文化紹介を発信するので、お見逃しなく!
▼冬の韓国文化“キムジャン”を紹介した記事もあります!
