韓国で注目のエゴマ油とは?ごま油だけじゃない今知りたい韓国食文化

エゴマ油

韓国料理でよく使われる油といえば、ごま油を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?もちろん、ごま油は頻繁に使われますが、実は他にもメジャーな油があるのです。それが「エゴマ油」。エゴマ油とはどういう油なのか?や、どのような料理に使用されるのか?について解説していきます!

目次

「エゴマ油」とは、どんな油?

エゴマ油は、シソ科の植物であるエゴマの種から搾られた油です。名前に「ゴマ」とついていますが、実は胡麻の仲間ではなく、紫蘇の仲間です。エゴマの葉っぱの見た目も、紫蘇の葉にそっくりですが、香りが全く異なります。

エゴマ

韓国語では、エゴマの葉は「깻잎/ケンニプ」、エゴマ油は「들기름/トゥルギルム」です。

●エゴマ油の特徴

全体の約60%以上が「α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)」で、体内で生成できない必須脂肪酸です。栄養満点の油なので、摂取すると、血液をサラサラにする、血圧を下げる、脳の活性化(認知症予防)、アレルギー抑制、美肌効果などが期待できます。韓国人の美肌の秘訣が、ここにも隠れているのかもしれません。最近の韓国では、健康志向が高まり、焙煎せずに搾った「生エゴマ油(セン・トゥルキルム)」を、朝にスプーン1杯そのまま飲む習慣を持つ人もいるのだとか。

ナッツのように香ばしいものが多く、全体的にさらっとしていてクセが少ない味わいが特徴です。

●エゴマ油の注意点

エゴマ油には、取り扱う上で重要な注意点もあります。韓国でお土産として買って帰る場合などには、注意しましょう。

・熱に弱い

加熱すると栄養成分が壊れるだけでなく、酸化して風味も悪くなります。揚げ物や炒め物には絶対に使わないでください。後に、エゴマ油の使用例を紹介するので、参考にしてみてください。

・酸化しやすい

光や空気にも弱いため、開封後は冷蔵庫で保存し、1〜2ヶ月を目安に早めに使い切るのが理想です。

・容器に注意

カップラーメンなどのポリスチレン製容器に直接入れると、容器が溶けてしまう性質があります。

●ごま油との使い分け

ごま油は香りが強く食欲をそそるので、焼肉やチョレギサラダなどによく使われます。一方で、エゴマ油はごま油よりも香りが上品で、素材の味を引き立てられるので、山菜や淡白なスープなどによく使用されます。エゴマ油の実際の韓国料理での使用例も、後ほど詳しく紹介していますので、ぜひ最後まで見てみてくださいね。

●よく比較される「亜麻仁油(アマニ油)」との違い

どちらもオメガ3が豊富な油で、比較されやすいですが、原料が全く異なります。

・エゴマ油

シソ科。ロスマリン酸などのポリフェノールを含み、アレルギー対策やダイエットに選ばれることが多い。

・亜麻仁油(アマニ油)

アマ科。リグナン(食物繊維の一種)を含み、女性特有の悩みや更年期のケアに選ばれることが多い。

どちらも健康効果は高いので、味の好みで選ぶといいでしょう。

ちなみに、亜麻仁油はカナダで非常に有名で、健康志向の高い家庭で日常的に使われているそうです。

「エゴマ油」を用いる韓国料理

そんな、韓国ではごま油と並んでポピュラーな「エゴマ油」。

実際に韓国料理では、どのように用いられているのか?韓国現地に住んでいるライターが紹介します!

韓国での使い方は、その「香ばしさ」と「健康効果」を最大限に活かすスタイルが特徴です。特に代表的な料理を取り上げてみました。

そば

●들기름 막국수(トゥルキルム マッククス/エゴマ油の混ぜそば)

茹でた蕎麦(マッククス)をよく冷やして、たっぷりのエゴマ油、醤油ベースのタレ、海苔、すりごまを絡めて食べるシンプルな混ぜ麺。

辛くなく、エゴマ油の濃厚なコクと香りがダイレクトに楽しめます。BTSのジョングクさんが独自のレシピをVLiveで公開したことでもSNS上で大変話題になりました。

カロリーも控えめで美容や健康効果が期待できるので、ダイエット中にも嬉しい韓国料理のひとつです。

●나물(ナムル)や무침(ムチム・冷たい和え物)

韓国の家庭料理に欠かせない、ナムルなどにもよく使われます。

茹でた野菜(大根、ゼンマイ、キキョウの根、シイタケなど)を、エゴマ油と塩、ニンニクで和えます。ごま油よりも優しく深いコクが出やすいため、特に山菜や根菜のナムルにはエゴマ油の方が好まれる傾向にあります。

●비빔밥(ビビンバ)の仕上げ

日本でも親しまれてよく食べられるビビンバ。ビビンバといえばごま油のイメージが強いですが、韓国ではエゴマ油を使う人も多いです。特に、山菜をたっぷり入れた「サンチェ(山菜)ビビンバ」には、野性味のある香りのエゴマ油が相性抜群です。ビビンバでエゴマ油を使用する場合、石焼ビビンバではなく、普通のビビンバで用いられます。

●スープやチゲの隠し味

たとえば、미역국(ミヨックッㇰ/ワカメスープ)に、少量のエゴマ油を入れるとスープにコクが出て、白濁した濃厚な仕上がりになります。また、酸っぱくなった古漬けキムチを使用した김치찌개(キムチチゲ)に使うと、酸味がまろやかになります。

▼韓国風わかめスープの作り方も紹介しています。ぜひエゴマ油を用いて作ってみてください。

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日本ではあまり馴染みのない「エゴマ油」、なぜ韓国ではポピュラーなのか?

韓国でエゴマ油がこれほど普及しているのに対し、なぜ日本ではあまり使われてこなかったのか?そこには「歴史・気候・文化」の3つの大きな違いがあります。

韓国人がエゴマ油を愛用する理由と、日本との違いを紐解いていきましょう。※あくまで考察です。

●気候と栽培のしやすさの違い

エゴマは、寒冷な気候でも育ちやすい生命力の強い植物です。

山岳地帯が多く、冬の寒さが厳しい朝鮮半島では、タフなエゴマが栽培に適していました。そのため、庶民でも手に入りやすい身近な油として定着しました。

日本は温暖な地域が多く、江戸時代以降は西日本を中心に菜種の栽培が爆発的に広まりました。結果として、日本では菜種油が食用油の主役になり、エゴマ油は次第に脇に追いやられていったそうです。

●香りに対する文化の違い

韓国はエゴマ特有の「少し野性味のある、独特のハーブのような香り」を「風味」として楽しみます。韓国料理はニンニクや唐辛子など香りの強い食材を多く使うため、エゴマの個性的な香りがそれらと絶妙にマッチし、コクを深める要素として愛されました。

一方、かつての日本人はエゴマの独特な香りを「クセが強い」と感じる傾向がありました。そのため、日本では次第に、香りのない無色透明な菜種油や香ばしいゴマ油が好まれるようになり、エゴマは食用から遠ざかっていったそうです。

●歴史的な用途の違い

日本では長い間、エゴマ油は「食べるもの」ではなく「工業用の材料」として使用されていました。

平安時代頃までは、日本でも食用として認識されていましたが、鎌倉・室町時代以降、エゴマ油は主に照明や傘・提灯の防水コーティングとして使われるようになりました。生活を支える大事な道具に使用されたため、食用として口にする機会が減ってしまったそうです。

しかし韓国では、15世紀の医学書にもその健康効果が記されるなど、一貫して「体に良い食品」として食卓に残り続けました。お寺の精進料理でも、動物性油脂の代わりにコクを出す貴重な栄養源として重宝されてきました。

このように、日本では食用としてあまり馴染みのなかったエゴマ油ですが、近年の健康ブームで「オメガ3(α-リノレン酸)」の重要性が注目され、じわじわとブームになっています。

日本のスーパーでも精製されたエゴマ油を入手できますが、韓国の市場で入手できる煎りたて・搾りたてのエゴマ油を一度味わうと、日本のエゴマ油が少し物足りなく感じるかもしれません。韓国では、今でも煎りたて・搾りたてのエゴマ油を市場で買うのが日常の風景です。

韓国で美味しいエゴマ油を入手しよう!飛行機で持って帰れる?

日本でも手に入るエゴマ油ですが、韓国で絶品のエゴマ油を日本でも味わいたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、最後に韓国で美味しいエゴマ油を入手して日本に持ち帰る方法について解説します。

●美味しいエゴマ油が売られている場所

・伝統市場

広蔵市場や京東市場などでは、その場で搾りたてを瓶詰めしてくれるお店があります。安価で香ばしさは最強ですが、ラベルがないことも多く、液漏れ対策をより入念にする必要があります。

・高級デパートの地下

ロッテ、新世界、現代などの大手デパートにある「名匠」ブランドは、パッケージも美しく品質が保証されています。ギフト用にオススメです。

・専門店

韓国のミシュラン星付きレストランなどでも使用されるような、こだわりが詰まったエゴマ油を入手するなら専門店。専門店での入手は少々ハードルが高いかもしれません。

●エゴマ油を日本に持ち帰る方法

油は「液体物」扱いになるため、「受託手荷物(預け荷物)」へ入れましょう。100mlを超える液体は機内に持ち込めないので、大きな瓶で購入した場合は、必ずスーツケースに入れて預けてください。(100ml以下の小さな容器に入ったものであれば、ジッパー付きの透明ビニール袋に入れることで機内持ち込み可能)

エゴマ油はわずかな漏れでも匂いが強く、スーツケース内の衣類に付くと致命的です。マスキングテープやビニールテープで蓋の境目をぐるぐる巻きにすると、キャップを補強できます。万が一漏れても外に出ないよう、ジップロックに1本ずつ入れ、空気を抜いて密閉すると安心です。さらに、タオルやプチプチで包み、スーツケースの真ん中など衝撃が少ない場所に入れると割れにくいです。

●帰国後の保管方法

日本で購入する精製された油と違い、韓国の搾りたてエゴマ油は酸化しやすいので、冷蔵庫で保管しましょう。1〜2ヶ月の新鮮なうちに、加熱せず生で召し上がってください。

空港

一度食べるとあなたも「エゴマ油」の虜に?!ぜひ食べてみて!

日本ではあまり馴染みがなかったけれど、韓国では非常に人気なエゴマ油。

健康的で美味しいエゴマ油を試したことがない方は、ぜひ一度食べてみてください。その特徴的な味わいにハマってしまうかもしれません。

▼寒い時期にピッタリな韓国グルメなども紹介しています!

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この記事を書いた人

ワンジョンの編集部。
韓国・韓流の魅力をお伝えし、日々、国内の韓国スポット・グルメを追い求め活動中です。
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