宮中の権力争いが激しさを増す中、ホジュンは“ただ患者を救う”という信念を胸に、再び大きな試練へと投げ込まれていきます。
恭嬪を支える侍医として、仁嬪派の圧力に揺れながらも真実を曲げず、ひとつの命を守るために踏みとどまるジュン。その背後では、愛する家族への思い、かつての因縁、そしてドジとの対立が静かに熱を帯びていく。
第51〜55話は、“心医ホジュン”としての精神がさらに磨かれ、同時に宮中の嵐に巻き込まれていく怒涛の展開。
誰を守り、何を選ぶのか。ジュンの揺るぎない優しさと覚悟が、視聴者の胸を強く揺さぶるブロックです。
第51話|「守りたいのは、地位ではなく“人”」ジュンと恭嬪の静かな絆

宮廷では仁嬪が勢力を強め、男児誕生への期待が一気に高まっていた。王妃に子がおらず、恭嬪の王子はまだ幼い——。もし仁嬪が男児を産めば、その子こそが未来の王になりうる。
その思惑が渦巻く中、仁嬪の兄であるゴンリャンはドジを巻き込み、懐妊の手助けを強く求めてくる。ドジもまた、ここで手柄を立てれば一気に宮中での存在感を高められると考え、これを受け入れる。
一方、民のために働き続けるジュンのもとでは、小さな幸せが訪れていた。ホンチュンがオグンの求婚を受け、周囲の人々が祝福する和やかな空気が広がる。しかし宮中では、恭嬪に送られる薬が仁嬪に優先され、恭嬪には質の低い薬しか回らないという不公平が露骨に行われ、医女たちの間に不満と不安が蓄積していく。
さらに、恭嬪が仁嬪を訪ねたにもかかわらず門前払いを受けたことを知った恭嬪の兄は怒りを爆発させ、妓房で偶然ゴンリャンと鉢合わせし、険悪な空気が生まれる。
そんな中、恭嬪の体調は徐々に不安定になり、ジュンは彼女を案じて心を痛める。
一方、ソクは自身の使い込みが露見しそうになり、ドジに助けを求める。しかしドジは冷たい態度で突き放し、追い詰められたソクはジュンの家まで助けを求めてやってくるのだった——。
第52話|命を守る覚悟と、宮中の闇「恭嬪を救いたい」ただその一心で

恭嬪が再び倒れ、ジュンは薬草を求め地方へ出向くことに。出立前、ジュンはチョンスのもとを訪れ、「ソクをどうか助けてほしい」と深々と頭を下げる。
自分に冷たくした相手のために頭を下げられる——ジュンの弱さではなく“揺るぎない優しさ”が光る瞬間だった。
だがその優しさとは裏腹に、宮中では緊迫した状況が進んでいた。
留守を任されたチョン奉事は不安を抱えながらもドジに相談するが、肝心のドジは曖昧な指示しか出せず、恭嬪の容態は急激に悪化していく。
鍼を打とうとしたその時、旅から戻ったジュンが駆け込み、治療の判断を下したのがドジであったと知り呆然とする。
さらに衝撃の事実が明らかになる。
恭嬪の履物や衣服が“呪詛”のために巫女に渡されていたのだ。
仁嬪が関わっていると知った恭嬪は怒りを露わにし、仁嬪のもとへ向かい、「二度目は一族を根絶やしにする」と静かに告げる——その表情には、母としての誇りと悲しみが深く刻まれていた。
第53話|別れは静かで、しかし胸を裂く——恭嬪の最期とジュンの決意

恭嬪はジュンを呼び寄せ、「王子の支えになってほしい」と静かに願いを託す。これは、母として自分の命が長くないことを悟った者の、切実で温かい遺言のようでもあった。
その頃、思いがけない人物がジュンの家を訪ねてくる。ソクだ。これまでの因縁を謝り、ギョムを抱き寄せる
手はどこか震えていた。
ジュンが自分を見捨てず、チョンスにも頼んでくれたことを知ったソクの目には、複雑な後悔と感謝が滲んでいた。
しかしその直後、恭嬪が危篤となる。ジュンは力を尽くすが、恭嬪はついに息を引き取る。
彼女の最期は静かで、しかし強く、母として、女性として、王を支えた者としての誇りに満ちていた。
恭嬪の死はジュンに深い喪失を刻む。
それでも彼は前を向こうとする。薬草の研究、風土病の解明“心医”としての道をさらに進むために。
時は流れ1591年。
光海君は父に愛されない孤独を吐露し、ジュンの息子ギョムは身分の壁を越えようと懸命に学んでいた。
そんな中、信城君の腫れ物が悪化し、侍医ドジの責任が問われることに。
第54話|“救うべき命がある限り、迷わない”ジュンの覚悟が宮中を揺らす

信城君の腫れ物を診たジュンは、ドジの診断とはまったく異なる判断を下す。
「これは軽症ではありません」
その言葉には迷いがなかった。
王もまたジュンに期待を寄せ、彼は古い医書を読み解き、腫れ物の原因や対処法を探り続ける。
医学において“過去の知恵”を尊重しながら、“今の命”を救おうとする姿勢は、ホジュンの核そのものだ。
一方、ジュンの家では、下働きのドルセが村人を密かに診療していたことが発覚し、ヤンテとイルソが必死に止めようと動く。しかしドルセの治療法——ヒルを使った膿の吸引——こそが、ジュンに重要なヒントを与えることになる。
治療の現場では、仁嬪がヒルに悲鳴を上げ、王も中止を命令するが、ジュンは引かない。
「今治療しなければ助からない」
その言葉には、命を前にした“医師の責任”が込められていた。
第55話|ついに“両班”へ。しかし、医師としての闘いは終わらない

ジュンの治療により信城君の病状は快方へ向かい、王は深い感謝とともに、ジュンを正三品の堂上官に昇格させ、
医官では異例の“御医”に任命するよう命じる。これは医師としての最高の栄誉であるだけでなく、
ジュンが両班の身分を得る瞬間でもあった。
重臣たちは嫉妬と反感から激しく反対するが、王は一歩も引かない。
「民を救う者を、そなたらはなぜ認めぬのか」その一言は、ジュンという人物への絶対的な信頼と評価であった。
その知らせを聞いたジュンの家族は、涙を流しながら喜ぶ。
貧しい生活の中でも希望を失わず支え合ってきた日々が、すべて報われた瞬間だった。
しかし宮廷では、光海君と信城君の“世子争い”が激化し、国は倭軍の侵攻で揺れ始めていた。
仁嬪は信城君の危険を恐れ、息子を守るために光海君を世子に推すという驚くべき決断を下す。
番組内容について詳しくはテレビ愛知番組ホームページをご覧ください。
https://tv-aichi.co.jp/kandora/hojun/

