理不尽な運命に翻弄されながらも、決して心を折らずに前へ進んでいく。
【ホジュン〜伝説の心医〜】第4〜10話では、のちに“名医ホジュン”と呼ばれる青年が、父の愛、恋人との別れ、
貧しさ、嫉妬、身分差別、そして医術の厳しさに真正面から向き合う姿が丁寧に描かれます。
逃亡の果てに出会った名医ユ・ウィテとの運命的な邂逅。
初めて触れた“人の命を救うという重み”。
愛する人を守るために選んだ人生の分岐点。そして、彼の才能に気づき寄り添う人々との小さな絆。
どのエピソードにも「人生は何度でもやり直せる」というメッセージが宿り、胸が締めつけられながらも、
見る者に静かな勇気を与えてくれます。
これからホジュンがどんな苦難を乗り越え、どうやって“心まで救う医師”へと成長していくのか。
ぜひ、この先の物語を一緒に追いかけてみてください。
第4話:父の厳しさの裏にあった深い愛
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
捕らえられたジュンは、父リュンに身分差別の悔しさをぶつけます。
しかし父はその言葉を叩き伏せるようにジュンを打ち、牢へ。
ただその夜、誰よりジュンを思い続けてきた父は、密かに牢から連れ出し「母と山陰(サヌム)へ逃げろ」と背中を押します。
ジュンは涙ながらに父の真意を理解し、ダヒのもとへ走り「一緒に生きよう」と訴えます。
追っ手に追われながら母とダヒを連れて漢陽へ辿り着くも、金銭トラブルに巻き込まれ投獄。
出所後、ダヒの身分回復を知ったジュンは、彼女の前に立つ資格がないと感じ、
別れの手紙だけを残して旅立つことに。
感想
父に殴られ、突き放され、それでもその裏にある“深い愛”を描く演出は圧巻。
40代以降の視聴者なら、「大切な人を守るためにあえて厳しくする」
そんな複雑な親心に胸が熱くなるはずです。
ジュンとダヒの別れも静かで切なく、“幸せを願うからこそ離れる”という大人の選択に涙が滲みます。
第5話:新天地・山陰で医術との運命的な出会い
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
長い旅を経て山陰へ着いたジュンと母。
しかし頼りにしていた県監は退職しており、途方に暮れるジュンの隙をつき、猟師のイルソに身分札を
騙し取られてしまいます。
そんな中、病に倒れた母を連れて行ったユ・ウィテ医師。彼は母の顔色を見ただけで即座に病を
見抜き、圧倒的な医術をジュンに印象づけます。
イルソは罪悪感からジュン親子を家に置き、ジュンは次第に医術の道へ惹かれていきます。
ウィテの医院に弟子入りを願うも断られかけますが、偶然出くわしたウィテ本人の判断で採用され、
最初は水汲み係からスタート。
しかし水の扱いを咎められ、冷たい水を浴びせられる屈辱も味わうことに。
感想
ここで描かれるのは「人生の転機は、苦しみの中にある」という真実。
母を救ったウィテの姿は、ジュンにとって“希望の光”そのもの。
一方で、水汲みからのスタートは医師の道が甘くないことを象徴し、視聴者もジュンとともに“修行の痛み”を体験できます。このギャップが物語を一気に奥深くしています。
第6話:孤独な修行と、イェジンの優しさ
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
「一度の失敗が人の命を奪う」ウィテの厳しい言葉がジュンに重くのしかかります。
誰も助けてくれない中、唯一の味方はウィテの養女で大師と医療活動に行っていたイェジン。
彼女は治療に使う水の選び方をそっと教え、ジュンはようやく認められ始めます。
そして薬庫で診療日誌を読み独学を始めるも、本来は禁止されている行為と知らされ、焦りが募る。
その頃、薬材盗難事件が発生。
薬庫にいたジュンが疑われますが、イェジンの機転で無実が証明され、真犯人は弟子のプサンポであることが
明らかに。
感想
この回では、イェジンの優しさが物語に温度をもたらします。
まだ医者として何者でもないジュンに、唯一寄り添う存在がいることが救いであり、視聴者の心にも響きます。
また、薬材事件を通して“医術は技量だけではなく人間性”だと示される流れも秀逸。
ジュンの成長が静かに積み重なっていく過程は非常に丁寧で魅力的です。
第7話:初めて認められた学識と、再び遠ざかるダヒ
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
内医院試験を控えるドジの同行役に、なんとジュンが選ばれます。
イルソに身分札の手配を頼み、ギリギリで漢陽へ出発。
ジュンの胸の中にあるのは「一目でいい、ダヒに会いたい」という切実な願い。
投宿先で両班を論破したジュンの知識を見たドジは、彼の学識に驚き、試験勉強の手伝いを依頼。
しかし試験結果は不合格。
理由は、かつて父ウィテが御医イェスに屈辱を与えたことへの“報復”だった。
ジュンはダヒの家を訪ねるも、彼女がすでに去ったと聞かされ、胸が締めつけられる。
感想
ジュンの才能が初めて誰かに認められる感動と、ダヒに再会できない切なさが同時に押し寄せ、
視聴者の感情を複雑に揺さぶります。
また、ドジの不合格理由が“派閥争い”という理不尽さも、時代劇らしい深い人間模様で見ごたえがあります。
第8話:医師の家に流れる“影”と、ジュンの小さな昇格
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
ドジは、自身が内医院に入れない理由に絶望。
父ウィテへの嫉妬と怒りをぶつけますが、ウィテは「名声ではなく民を救う医師になれ」と静かに諭します。
一方、ヤンテとダヒが山陰へ現れ、ダヒは肺炎で倒れるもウィテの治療で快復。
この間、ジュンは彼女の存在に気付かず、薬草採りへと昇格し山へ向かう。
感想
ウィテとドジの父子関係は、ジュンと父リュンとは対照的。
どちらも不器用で、どちらも深く愛している、その“言葉にならない親心”が心に染みます。
また、ダヒとジュンがすれ違ったまま…という展開は視聴者の心をそわそわさせる巧みな構成です。
第9話:命の恐怖と、運命の再会
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
薬草採りの最中、虎に遭遇したジュンは負傷し、サムジョク大師に救われます。
そこで大風瘡の患者を見て怯え、人の命を扱う重さに改めて打ちひしがれることに。
その頃、ダヒが医院にいると聞いたジュンは急ぎ戻り、ついに二人は再会。
身分差が結婚を許さないと訴える母も、ジュンの揺るぎない思いに折れ、二人は晴れて夫婦になります。
一方、科挙に落ち自暴自棄になったドジはイェジンに縋り、それを見たオ氏夫人はイェジンに縁談を勧め始める。
感想
虎との遭遇は“生と死”を肌で感じる象徴的なシーン。
ここを経て、ジュンがより“医師としての覚悟”へ向かうのがよくわかります。
そしてダヒとの結婚は、序盤の苦難続きの物語の中で視聴者がホッとできる唯一の幸福な時間。
静かな祝福の空気がとても美しい回です。
第10話:家族の希望と、医師への第一歩
(c)MBC 2013 ALL Rights Reseved.
ウィテとドジの診療を横で見ながら独学を続けるジュン。
しかし生活は苦しく、ダヒは雑用を命じられ不満を抱くが、ジュンの母の言葉で次第に気持ちを整えていきます。
新居に移り住んだジュンは、ダヒに「いつか立派な医者になって楽をさせる」と誓う。
しかしその矢先、袖の下を受け取ったと誤解され、再び水汲みに戻されてしまうという理不尽な
仕打ちが待っていました。
感想
ジュンの誓いは、視聴者の胸にも温かく響く名シーン。
しかし一歩進んで二歩下がるような試練の連続が、このドラマの“人生のリアル”をより深く表現しています。
困難の中でも夫婦として支え合う姿は、大人の女性視聴者の共感を強く呼ぶポイントです。
総まとめ
第4〜10話は、ホ・ジュンが「医師への道を選び、最初の一歩を踏み出すまで」を丁寧に描いたパート。
- 父の愛に気付く涙の夜
- ダヒとの切ない別れと再会
- ウィテとの出会い
- 医術の厳しさとの向き合い
- 少しずつ積み上がる“覚悟”
苦しみも喜びもすべてが、のちに“心医”と呼ばれる男を作っていく、その道のりが胸に迫る回が続きます。

