ヨロブン、アンニョンハセヨ!
今回は韓国の敬語文化について紹介します!
記事の後半ではすぐに使える例文も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
韓国の敬語文化
●年長者への敬意を重視する文化が強い
日本でも会社の上司や先輩など年上の方には当たり前のように敬語を使いますが、韓国は日本よりも特に年上の方への敬意の示し方に徹底しています。
実際に私も韓国に住みはじめて、「日本の感覚と少し違うな」と何度か感じたこともあります。
韓国人が年長者への敬意を特に重視し行う細かいマナーや習慣は、儒教の精神に由来しています。
儒教の精神は韓国社会に深く根付いていて、「長幼の序(ちょうようのじょ)」という考え方に基づき謙譲語や丁寧語を使い分けることが重要視されています。
※長幼の序(ちょうようのじょ)とは?:
年齢や地位に基づいて人間関係の優先順位を決める考え方
●家族間でも年上には敬語を使う!?
「長幼の序」の考えが深く根付いている韓国では、家族間でも敬語や丁寧な言葉遣いを使うことがあります。幼い子供でも両親に対しては「です・ます」を表す「요(ヨ)」「이에요(イエヨ)」をつけて話すように教育をしたり、特に祖父や祖母のような目上の方に対しては、家族であっても丁寧な話し方をするように教えられることが多いです。
もちろん家庭によっては敬語を使わないところもありますが、基本的に日本と比べると両親や祖父母に対して敬語を使う家庭が多いなと感じます。
実際に筆者の韓国人の夫の家族の間では、この「長幼の序」の考えが大切にされていて、年の離れている祖父母にはもちろん、両親にも敬語を使用しています。
●他人に自分の家族(年上)の話をするときも尊敬語を使用
韓国では他人に年上の家族の話をするときも丁寧な表現で話します。
例えば、祖父母の話をするときは名前に対して敬称をつけ、「おっしゃる」「いらっしゃる」などの尊敬語を使用します。
日本で他人に家族の話をするときは、状況や関係性によっては敬語を使うこともありますが、親しい中では敬語を使わないことが多いですよね。
いくら家族であっても年上の場合は敬意を表し敬語を使用することから、韓国は日本と比べると上下関係が特に重要視されていることが分かります。
●韓国語の「존댓말(敬語)」と「반말(タメ口)」
韓国語の「존댓말(チョンデンマル)」は「敬語」 を表し、「존대(チョンデ・尊待)」と「말(マル・言葉)」を合わせた言葉です。
「반말(パンマル)」とは「タメ口」のことで、親しい間柄で使用します。
韓国では日本と同じように初対面ではもちろん「존댓말(敬語)」を使うことが基本マナーです。
相手と距離を縮めていく過程で「いつからパンマルをしていいか」が仲を深めるキーポイントです。
パンマルを使ってもいいか相手に尋ねる際に使えるフレーズをいくつか紹介します。
いきなり「パンマルにしよう」と伝えるとあいてに失礼になることもあるので、タイミングを見計らってフレーズを使用してみてくださいね。
①우리 반말로 할까요? (ウリ パンマルロ ハルッカヨ?)
私たち、タメ口で話しますか?
②말 편하게 해요!(マル ピョナゲ ヘヨ)
タメ口で話しましょう!
③우리 말 놓을까요?(ウリ マル ノウルッカヨ?)
私たち、タメ口にしますか?
韓国語の敬語表現一覧
・用言(動詞・形容詞)の接尾辞
韓国語の敬語は単語の基本形にパッチムがある場合は으시(ウシ) 、パッチムがない場合は시(シ)を入れて作ります。
〈例文 パッチム無しの場合〉
「来る」오다(オダ) → 「いらっしゃる」오시다(オシダ)
「行く」가다(カダ) → 「行かれる」가시다(カシダ)
〈例文 パッチム有りの場合〉
「笑う」웃다(ウッタ) → 「お笑いになる」웃으시다(ウスシダ)
・語尾の敬語
韓国語語尾の敬語には「해요体(ヘヨ体)」と「합니다体(ハムニダ体)」があります。
どちらも丁寧語ですが、「해요体」は親しみのある丁寧さ、「합니다体」はよりフォーマルで改まった丁寧さを持っています。また、語尾の敬語はそれぞれの文型(平叙文、疑問文、命令文、勧誘文)で形が変わります。
文章でみると中々理解しづらいと思うので、表を参考にしてみてくださいね。
文系 | ヘヨ体 | ハムニダ体 |
平叙文「食べます」 | 먹어요(モゴヨ) | 먹습니다(モクスムニダ) |
疑問文「良いですか?」 | 좋아요?(チョアヨ?) | 좋습니까?(チョッスムニッカ) |
命令文「してください」 | 하세요(ハセヨ) | 하십시오(ハシプシオ) |
勧誘文「行きましょう」 | 가요(カヨ) | 갑시다(カプシダ) |
・韓国語の尊敬動詞
韓国語には尊敬語にすると違う形に変形する動詞がいくつかあります。
よく使う代表的な【動詞の尊敬語】を紹介します。
「いる」있다(イッタ) →「いらっしゃる」계시다(ケシダ)
「食べる」먹다(モクタ) → 「召し上がる」드시다(ドゥシダ)
「寝る」잔다(チャンダ) → 「お休みになる」주무시다(チュムシダ)
「話す」말하다(マルハダ) → 「おっしゃる」말씀하시다(マルスムハシダ)
・韓国語の謙譲動詞
謙譲動詞を使うことで自分の立場を下げて相手を敬う言い方ができます。
よく使う代表的な【謙譲動詞】を紹介します。
「差し上げる」드리다(ドゥリダ)
「申し上げる」말씀드리다(マルスムドゥリダ)
「伺う」여쭙다(ヨチュプタ)
・尊敬の名詞、その他語彙
韓国語の尊敬名詞には、単語自体が変化するものと、接尾辞を付け加えるものがあります。
日常でよく使う代表的な尊敬の名詞を紹介します。
「家」집(チプ) →「自宅」댁(テク)
「名前」이름(イルム) → 「お名前」성함(ソンハム)
「年齢」나이(ナイ) → 「お年」연세(ヨンセ)
「お父さん」아버지(アボジ) → 「お父様」아버님(アボニム)
「お母さん」어머니(オモニ) → 「お母様」어머님(オモニム)
「〇〇さん」-씨(〇〇シ) → より丁寧な言い方 -님(ニム)
「〇人」〇명(ミョン) → より丁寧な言い方 〇분(ブン)
韓国語の敬語文化を詳しく知り、正しく敬語を使用しよう!

いかがでしたでしょうか?
日本語にも敬語がありますが、韓国では「長幼の序(ちょうようのじょ)」の考え方に基づき、年上の方に対する丁寧な言葉遣いやマナーが特に重要視されています。
文章でみるだけだと中々複雑で頭に入りづらいですが、実際に年上の方に使用してみるなど覚えたフレーズをアウトプットすることで、より効率的に韓国語の敬語を徐々にマスターすることができます。
例文を参考に実践してみてくださいね。
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