キムチと言えばどのようなキムチが思い浮かびますか?定番の白菜キムチが一番に挙げられるのではないでしょうか。でも実は、韓国ではもっと多種類のキムチが食べられています。そこで、韓国でよく食べられるキムチの種類やそれぞれのキムチにあう料理について解説いたします!
それでは、韓国にある商品や食べ物、文化など…さまざまなことに興味深々な韓国在住ライターKARENが、韓国に住んでいるからこそ持っている視点も交えながらお届けいたします〜!
キムチの種類について
キムチの種類は、主原料による分類だけでも187種もあります。内訳は、白菜キムチ類25種、大根キムチ類62種、キュウリキムチ類10種、その他野菜キムチ類54種、海藻類キムチ類5種、その他のキムチ21種となっているそうです。予想以上に多いと感じるのではないでしょうか?
また、副材料や漬け方の違いによりさらに細かく分類することも可能です。キムチの種類の多様さに驚きますよね。
キムチは、漬ける時期によって「四季キムチ」と「キムジャンキムチ」に区分されます。
「キムジャンキムチ」は 、韓国で毎年11月頃に大量のキムチを漬けるイベント「キムジャン(김장)」にてつけられたキムチのことを意味します。2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録された韓国の文化である「キムジャン(김장)」については、下記記事にて詳しく解説していますので、気になった方はあわせてお読みください。
そして季節ごとに旬となる野菜が異なるので、よく食べられるキムチの種類も異なります。
たとえば、春には初物白菜キムチ(ヘッベッチュキムチ)やナバクキムチが美味しく、夏にはさっぱりとしたキュウリキムチ(オイキムチ)が夏の蒸し暑さを冷やしてくれます。秋になると丸白菜キムチや大根角切リキムチ(カクテキ)、チョンガッキムチがよく出回り、冬にはトンチミなども主流となります。
また地域によっても、よく食べられるキムチの種類は異なります。
一般的にキムチといえば丸白菜キムチを指しますが、北部の寒い地域では唐辛子や魚の塩漬があまり入らない塩辛くない白菜キムチやボサムキムチ、トンチミキムチが多いのに対し、南部の温かい地域では唐辛子や塩をたくさん使ってキムチを漬けるのが特徴となっています。
意外と知らない?!キムチの種類はこんなにたくさん!
では、実際にどのようなキムチが存在するのかを具体的に見ていきましょう。
キムチの種類①白菜キムチ
キムチと言えば白菜キムチですよね!白菜キムチは韓国ではペチュキムチ(배추김치)と呼ばれます。
この白菜キムチひとつをとっても、熟成具合などにより種類が分けられます。
■センキムチ(생김치)
常備菜として普段からよく食べられる白菜キムチの種類です。飲食店などでも通常提供されるキムチがこちらです。熟成があまり進んでないキムチで、センキムチのセンは漢字で「生」を使用します。基本的に調理はせずそのまま美味しく食べます。
■コッチョリ(겉절이)
塩漬け白菜を薬味で和えて食べる熟成させない浅漬けキムチです。白菜のみずみずしさとシャキシャキ感がよく感じられ、一度食べたら病みつきになる美味しさです。
■ムグンジ(묵은지)
漬けてから長時間経った古漬けキムチのことです。そのまま食べるには酸味が強すぎるため、煮物や鍋料理などに活用されます。
キムチの種類②大根キムチ
大根キムチも日本でもよく見かけるキムチの種類の一つですよね。そんな大根キムチも、さらに細かく種類を分けられます。
■大根の角切りキムチ
日本ではカクテキの名でよく知られていますが、韓国ではカットゥギ(깍두기)と呼ばれます。角切り大根で作るキムチのことです。適度な酸味とみずみずしく爽やかな大根の風味が堪りません。
■かぶら大根キムチ
韓国で特徴的な、葉がついたままのミニ大根を、薬味にじっくり漬けたキムチです。チョンガッキムチ(총각김치)と呼ばれます。
チョンガッは、独身男性を意味する韓国語です。昔の独身男性が2つに結んでいた髪型に見た目が似ていることが由来だそうです。バリバリした歯ごたえと辛味が特長です。
どうでしょうか?2つに結んでいた髪型のように見えますか?
■大根の葉キムチ
まだ根が太くなる前の間引きの大根の葉を薬味に漬けたキムチです。ヨルムキムチ(열무김치)と呼ばれます。葉のみずみずしさと、ほろ苦さがおいしさを引き立てます。
■トンチミ
大きめに切った大根を塩水に漬け、熟成させた水キムチです。동치미と表記します。酸味の利いたすっきりとした汁が口の中をさっぱりとさせてくれます。
キムチの種類③きゅうりキムチ
きゅうりキムチも日本で馴染みがありますよね。実はきゅうりキムチにも種類があります。
■オイキムチ
日本でも食べられているきゅうりキムチです。韓国語で오이김치と表記します。韓国では、さっぱり風味の夏キムチとして定番です。
■オイソバギ
きゅうりに十字の切り込みを入れ、にらやねぎで作った薬味をたっぷり詰め込んで作る具沢山のキムチです。夏バテした身体にも良いです。오아소박이と表記します。
キムチの種類④白キムチ
唐辛子を使わないあっさり味のキムチのことです。ペッキムチ(백김치)と呼ばれます。子どもや辛いものが苦手な人でも安心して食べられます。唐辛子が朝鮮半島に伝わったと言われる16世紀末までは、キムチといえばペッキムチが主流だったことから、キムチの原型としても知られているそうです。
キムチの種類⑤水キムチ
白菜と大根を広々と薄く切り、薬味を入れ、汁を充填して作ります。ムルキムチ(물김치)と呼ばれます。白菜の味とカクテキの味を同時に味わえるキムチで、薄ピンク色の汁が綺麗で味が淡白なのが特長です。
キムチの種類⑥ポッサムキムチ
包みキムチです。塩漬けにした白菜の葉を広げ、その中に野菜や果物、海産物、栗、なつめなどを入れて一緒に包み込みます。보쌈김치と表記します。
見た目はこのような感じです。
キムチの種類⑦ねぎキムチ
韓国ではパキムチ(파김치)と呼ばれます。青ネギの一種の細長いネギであるチョッパ(쪽파)で作るキムチです。家庭でも簡単に作れ、かつ長く持つのでよく食卓に上がります。
キムチの種類⑧コドゥルペギ
キク科の黄色い花のコドゥルペギに漬けたキムチのことです。고들빼기と表記します。コドゥルペギは日本語では「イヌヤシソウ」と言うそうです。苦みがあるキムチで好き嫌いは分かれますが、好きな人には刺さる味です。
日本ではあまり馴染みのない野菜ですので、イメージ画像もあわせてご紹介します。
キムチの種類⑨ガッキムチ
からし菜でできたキムチのことです。갓김치と表記します。シャキシャキした食感と鼻先をピリッと刺すからし菜特有の味で多くの人に好まれています。白米にもよく合います。
キムチの種類⑩その他キムチ
ここまでご紹介したキムチのほかにも、種類がたくさんあります。
海藻キムチ、キャベツキムチ(ヤンベッチュキムチ)、ナスキムチ(カジキムチ)、サツマイモキムチ(コグマキムチ)など…挙げだすとキリがないほどです!
種類別│キムチによく合う料理を紹介
それではここで、ご紹介したキムチにあう料理は何なのか?について気になった方のために、キムチの種類別によく合う料理例をご紹介します。定番を選びました。
ムグンジキムチに合う料理
鍋やチヂミ、煮込み料理などに合います。豚肉との相性が抜群です!
大根キムチに合う料理
ソルロンタンやクッパの付け合せとして定番です。箸休めに酸味の効いたカクテキは最高です!
大根の葉キムチに合う料理
ビビンバや冷麺の具としてよく使われます。夏にあっさり食べやすいです。
トンチミに合う料理
お粥屋や焼肉屋などでよく出されます。お口の中がさっぱりします。
白キムチに合う料理
カルビやプルコギなどの前菜としてよく提供されます。まろやかな風味とパリパリした食感が牛肉とよくマッチします。
ねぎキムチに合う料理
ねぎチヂミにしたり、焼いたお肉と一緒に食べても美味しいです。
韓国で食べられているキムチの種類 -まとめ
知らないキムチは何種類ありましたか?
韓国でよく食べられているキムチの種類は、想像よりかなり多かったのではないでしょうか。ちなみに、韓国人は野菜を本当によく食べます。日本人の2倍ほど摂取してるとの説があります。野菜キムチの種類の多さを見るだけでも納得ですよね。