こんにちは(^▽^)/国際結婚を得て、釜山に在住しながら現地グルメや美容情報、語学に関するお役立ち情報を発信している釜山在住日本人のkangホドゥです。『ワンジョン』では韓国最新の流行や語学情報、韓国美容、現地人お勧めグルメやスポットなどの最新の旅行情報の記事を担当しています。
今回は日本ではあまりなじみのない韓国文化、「トルチャンチ」について紹介します。
「トルチャンチ」とはいったい何なのか、その由来や歴史、行事内容を詳しくご紹介するので最後まで楽しく韓国の歴史・文化について学んでみましょう~!
トルチャンチとは?
「トルチャンチ」とは満1歳を迎える赤ちゃんの初めての誕生日をお祝いする韓国の伝統行事です。
この日は赤ちゃんを含む家族にとってとても大切で特別な日で、家族や親戚、友人や親しい知人が集まり赤ちゃんが無事に1歳を迎えられたことをみんなでお祝いします。
韓国では結婚式の次に大切なイベントともいわれているほど、大切な伝統行事です。
昔は自宅で「トルチャンチ」をお祝いすることが多かったですが、ここ最近ではホテルや宴会場を貸し切りお祝いするケースが主流となりつつあります。
トルチャンチの由来・歴史
「トルチャンチ」の「トル(dol)」は生まれてから満1年たった日を表し、「チャンチ」とは韓国語でお祝いのことを表します。
昔は今よりも医学が発達しておらず、1歳を迎える前に亡くなってしまう赤ちゃんが多かったそうです。
赤ちゃんが大きな病気をすることなく無事に1歳を迎えられたことを町のみんなで盛大にお祝いしていた伝統行事が、韓国では今でも大事に引き継がれています。
今でも韓国で大切にされている「トルチャンチ」の伝統文化は中国から伝わったと記録されていて、朝鮮後期の画家 金弘道(1745~1806年以後)氏の「平生図」には、朝鮮時代のトルチャンチの風景が描かれています。
トルチャンチの流れ
「トルチャンチ」のお祝いの仕方は地方や会場によって多少の違いがありますが、基本的には以下のように進行することが多いです。
- オープニング(司会挨拶)
- 家族入場とお礼の言葉
- ケーキカッティングと乾杯のあいさつ
- トルチャビ
- プレゼント&感謝状伝達
- 締めのご挨拶
最近では伝統行事に加えて主人公の赤ちゃんにまつわるクイズ大会が開かれるなど、とても楽しくにぎやかな雰囲気で「トルチャンチ」が行われます。
トルチャンチならではの行事 「トルチャビ」
「トルチャンチ」の流れで紹介した「トルチャビ」はメインイベントの1つです。
「トルチャビ」とは赤ちゃんの前にお金や米、本などを並べて、赤ちゃんの好きなように選ばせます。
たくさん並べられた置物の中から赤ちゃんが最初に手にした置物で、将来どんな人物になるかを占うイベントです。
日本でも行われる「選び取り」に似ていますよね。
トルチャビの置き物とその意味
- お金、米、餅 : 富、裕福、お金に困らない
- 本、鉛筆、筆 :学者
- 刀 : 料理人
- 糸 : 長寿
- 弓 : 勇ましい将軍
- ナツメ、栗 : 子孫繁栄
- 聴診器 : 医者
- ノート : 芸術家
- マウス : プログラマー
- マイク : 歌手
赤ちゃんが何を掴むかも大事ですが、それよりも不思議そうに手を伸ばす姿がとても愛らしく、家族や友人にとっても一番盛り上がるイベントとなります。
大人になっても自分が「トルチャビ」で何を掴んだのかを知っている人も多く、家族や友人との会話の中でも話題として出されたりとなんだか微笑ましいイベントですよね。
トルチャンチの料理
「トルチャンチ」では赤ちゃんの満1歳をお祝いするために、果物や餅、お肉や魚などの沢山の食材や料理がテーブルに並べられます。
そのテーブルを「トルサン」といい、トルサンの上には赤ちゃんの健康や将来を願った意味がそれぞれ込められた食材や料理が並べられます。
「トルサン」に並べられる食材は地域や家庭によって多少の違いがありますが、主にチャプチェやナムル、わかめスープ、餅やソルギケーキ、お肉や魚料理など韓国のお祝いで食べる食材や料理が並べられます。
また、「トルサン」に並べられる食材にはNGとされている食材もあります。
生け花は命を大切にしないといけない理由、キウイや桃などの毛がついている果物は子供を守ってくれるご先祖様が食べにくいなどの理由でタブーとされています。
トルチャンチの服装
「トルチャンチ」の日、主人公の赤ちゃんは「トルボッ」と呼ばれる伝統衣装を着ます。
「トルボッ」の「トル」はこれまで紹介した意味と同じく1歳を表し「ボッ」とは「服」を表します。
韓国語の「ボッ(服)」の発音は幸福の福とも同じ発音なので2つの意味があるとも言えます。
トルボッは男の子と女の子の赤ちゃんで着せられる衣装が違います。
男の子の場合は、パジ(ズボン型)チョゴリが着せられ、その上にチョンボク(ベスト)やポッコン(帽子)、トルティ(帯)が着せられます。
女の子の場合は、チマチョゴリと唐衣(タンウィ)と呼ばれる礼服が着せられ、額の部分に飾りの付いたチョバウィという帽子が被せられます。
トルボッは華やかな色が使用されるイメージが多いですが、その衣装に使用される色にも意味があります。
トルボッには主に青、赤、白、黒、黄色の五方色(セットン色)がよく使用されます。よく使われます。この五方色に使用される色には邪の気運を抑え、赤ちゃんの健康、無病長寿を祈願する意味があります。ちなみに先ほどトルチャンチの料理編で紹介したトルサンにも、こちらの五方色をした小物をよく使います。
第二の主役である両親はパジチョゴリやチマチョゴリを着たり、スーツやドレスを着たりなどと会場の雰囲気に合わせて華やかにドレスアップすることが多いです。
トルチャンチの飾り付け
トルチャンチの飾りつけは会場や家族の求めるスタイルに合わせて、伝統的なスタイルと現代的なスタイルで準備されます。
伝統的なスタイルであれば背景幕や屏風で飾るのが特徴ですが、現代的なスタイルだと風船やリボンなどで飾られたりとそれぞれ自由なスタイルを好みで飾ることができます。
トルチャンチの贈り物とお返し
トルチャンチの際、1歳を迎えた赤ちゃんへの贈り物の定番として純金の指輪やブレスレットがプレゼントされる習慣があります。
お金に困らない人生を願い、純金のプレゼントが送られるといわれています。
招待客はそれぞれプレゼントを用意したり、お祝儀を包んだりと赤ちゃんの1歳をお祝いし思い思いのプレゼントを用意します。
また昔はトルチャンチの日にお皿にお餅を載せて友人や隣人に配る風習がありました。
そのことを「トルトック」と言います。
トルトックを受け取った人はそのお皿にお米や糸をのせてお返ししたといわれています。
ここ最近では答礼品といって、参加してくれた親せきや友人、知人にタオルやタンブラーなどのお返しを送ることが多いそうです。
韓国の伝統文化を学ぼう!「トルチャンチ」ってなに?まとめ
日本とは少し違う韓国の歴史深い伝統行事「トルチャンチ」について詳しく紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
赤ちゃんの長寿や健康、幸せを願う昔からの伝統行事が今でも行われていて、今も昔も変わらずどれだけ子供を大切にしているかが伝わりますよね。
今回の記事で韓国の大切な伝統行事「トルチャンチ」を楽しく学んでいただけたら嬉しいです。
それではまた次回もタメになる韓国情報でお会いしましょう。안녕~!!(アンニョン~!)